【MLB】韓国球界から米復帰の右腕ケリー 球速アップと投球スタイル変化の理由明かす

ダイヤモンドバックスが獲得したメリル・ケリー(写真はレイズ所属時)【写真:Getty Images】

今オフにDバックスと2年約6億円で契約

 今季カージナルスで活躍したマイルズ・マイコラス投手は、巨人で3季を過ごし、投手として進化。“逆輸入投手”として1年目だった今季、18勝4敗で最多勝に輝き、防御率2.83の好成績を残した。昨季は、韓国プロ野球(KBO)で3シーズンで124本塁打を放ち、“神”とまで崇められたエリック・テームズがブルワーズと契約して米復帰。アジア球界からの復帰組が注目を集める中、今オフにはKBOのSKワイバーンズで4年プレーした右腕メリル・ケリーがダイヤモンドバックスと2年550万ドル(約6億1900万円)+2021年と22年のクラブオプションの契約を結び、メジャー復帰を果たすことになった。

 米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」では、30歳右腕ケリーのスカウティングリポートを掲載。その中でKBOで過ごした4年で平均球速が3マイル(約4.8キロ)アップした秘訣、投球スタイルの変化について言及している。

 記事によれば、2014年まで過ごしたレイズ傘下マイナー時代には、速球は88~90マイル(約142~145キロ)程度だったが、KBOでは92~94マイル(約148~151キロ)までアップ。最速は97マイル(約156キロ)を記録するまでになったという。ケリーは4年で通算48勝32敗、防御率3.86の好成績を収めている。

投球スタイルの変化は少ない球団数のおかげ!?

 ケリー自身は球速がアップした理由について「年齢を重ねるに連れ、身体が強さを増し、成熟したこと」が第一だとし、続いて「メカニックが進化したこと」と明かしている。メカニックについては「初めて韓国でプレーした時は、投球モーションの中で脚を含む身体全体を上手く使えていなかった」と言うが、「ここ2年ほどは身体を使ってボールを投げることを意識している。明らかに、これが速球の球速アップにつながり、他の球種も効果を増した」と分析している。

 さらに、30歳右腕はKBOの所属するチーム数の少なさがもたらす効果について言及。「たった10チームだけで、同じ打者と何度も何度も対戦するから、自分についてよく知り、どの球種をいつどこへ投げるべきが学ぶ必要があった」と、対戦回数の多い打者をねじ伏せるための研究を重ねたという。

 投球内容にあわせて変化したのが、打球だった。典型的なゴロピッチャーだったケリーは、KBO移籍後3年はゴロアウトに対するフライアウトの割合が1.50だったが、今季は1.12まで減少。ゴロを打たせるのではなく、力でねじ伏せるタイプに変化したが、記事ではメジャーの一流打者を相手にこの数字がどう変化するかに注目すべきだとしている。

 韓国での体験について「新しい環境では、何事も順応するのにある程度時間はかかるもの。けれど、一旦順応してしまえば、僕にとっては非常に心地よいものだった」と振り返り、手助けしてくれたチームメイトに感謝したケリー。来季ダイヤモンドバックスでは、どんなパフォーマンスを見せるのか楽しみだ。(Full-Count編集部)

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