茨城県北中心に6病院 脳卒中治療で連携 システム導入 画像データ共有

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日立製作所日立総合病院にCT画像を送信する高萩協同病院の医師=高萩市上手綱上ケ穂町

茨城県の県北地域を中心とした6病院は18日、リアルタイムでCT画像などの患者データを共有できる「遠隔画像診断治療補助システム」を活用した脳卒中治療を開始した。2次救急病院が脳卒中の専門的な治療や3次救急を担う病院と画像データを共有することで、迅速な処置につなげる狙い。1分1秒を争う脳卒中の治療で、より早い診断や設備の整った病院への搬送などが期待される。同日は高萩協同病院(高萩市)と日立製作所日立総合病院(日立市)で訓練が行われ、画像共有から治療までの流れを医師らが確認した。

同システムはCTやMRI画像などの患者データを専門医がいる医療機関にリアルタイムで送信し、データを見た医師から診断の助言や指導を受けられる仕組み。タブレットやスマートフォンで画像の送受信ができ、最大で一度に約400枚分の画像データを送信できる。

6病院は、慈泉堂病院(大子町)▽常陸大宮済生会病院(常陸大宮市)▽水戸医療センター(茨城町)▽北茨城市民病院(北茨城市)▽高萩協同病院▽日立総合病院。水戸医療センターと日立総合病院がデータを受信し、他の4病院に助言などを行う。

県医療政策課によると、これまでにも病院間で連携して治療に当たるケースはあったが、画像データは患者の搬送時に持参するか、電話による口頭説明にとどまっていた。今回のシステム導入により、専門医以外では判断しにくい小、中程度の脳卒中の病状について判断や助言など迅速な対応につながる。県北地域は救急搬送時間が県平均より長く、脳卒中による死亡率が高い。システム導入で改善が期待される。

訓練では、脳神経外科医の不在時に脳卒中の患者が高萩協同病院に搬送されたとの想定で実施。医師や看護師らが症状を確認した後、CTを撮影し、画像約100枚をタブレット端末から送信。日立総合病院で医師が画像を確認し、点滴による投薬を指示した。高萩協同病院の近藤匡病院長は「専門医が不足している中で遠方の先生に協力してもらうシステム。脳卒中以外にも応用が可能だ」と期待した。

県は本年度当初予算に約2830万円を計上し、同システム導入にかかる初期費用で461万円を上限に全額補助して導入を後押し。補助金を使い、本年度中に水戸ブレインハートセンター(水戸市)と聖麗メモリアル病院(日立市)もシステムを導入する予定で、連携は計8病院まで広がる見通し。同課の担当者は「今回をモデルケースに、ほかの地域でも連携が広がるきっかけになれば」と話した。(成田愛)