正月の縁起物タコの値段が高騰

海外で不漁、消費は拡大

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タコの売り場。海外産のマダコは昨年より4割高い値段で販売している=18日午後、宇都宮市宮園町

 正月には縁起物として食されるタコの値段が高騰している。宇都宮市中央卸売市場では18日時点で、海外産のマダコが昨年より2割以上高い1キロ4400円で取引されており、同市場で過去最高額となっている。漁獲量の減少と世界的な消費量の拡大が背景にあり、国内産のタコの相場も上がっている。県内のたこ焼き店のほか、正月を前にスーパーなどはタコを使用した関連商品の値上げに踏み切るかどうか悩み、消費者は「いくらになるのか」と気をもんでいる。

 同市場で水産物を卸売りしている「宮市」によると、海外産のマダコの卸値は本マグロの大トロと同じ価格帯という。ここ10年で海外の主要な産地のモロッコやモーリタニアなどで漁獲量が減少し、価格が年々上昇。また日本食ブームなどによりヨーロッパや中国でタコが食されるようになり、日本国内の流通量が減っていることも要因という。

 海外産の値上げに引っ張られ、国内産のタコの値段も上がっている。宇都宮市宮園町の東武宇都宮百貨店内の鮮魚店「北辰(ほくしん)」は、国内産のマダコは昨年と同じ価格に据え置くが、ミズダコは昨年より100円高い100グラム当たり298円で販売。年末年始にはミズダコを使った酢だこを販売するが、担当者は「できれば正月商品の値上げはしたくない」と苦しい胸の内を明かす。

 買い物に来ていた同市中央1丁目、主婦小池千恵子(こいけちえこ)さん(69)は「庶民的なイメージのタコなのに、最近は高い」。毎年、正月に酢だこを丸ごと1匹購入しているといい「多少値段が高くても買うが、いくらになるのか」と心配した。

 大田原、那須塩原の両市内に店舗があるスーパー「三桝屋」では、手作りおせちにタコのマリネを盛り込む。原価が安い野菜を取り入れ、価格のバランスを取ったという。担当者は「容器などの資材も高く、タコを多く入れるというわけにはいかない」と漏らした。

 たこ焼き店も悩まされている。宇都宮や小山市などで店を展開する「ビック」(宇都宮市)は、8個入り500円を値上げするかどうか迷っているという。

 タコの仕入れ値は20年前に店を始めた時と比べ、倍の値段になっている。細谷俊夫(ほそやとしお)社長(68)は「我慢してきたが、限界に来ている。ワンコインで買えることにこだわりたいが、難しい状況」と打ち明けた。