はれのひ元社長に実刑判決 成人の日晴れ着トラブル

◆「経営者 守るべき一線越えた」

 成人の日に晴れ着トラブルを起こした振り袖の販売・レンタル業「はれのひ」(横浜市中区、破産)の銀行融資詐欺事件で、売上高を粉飾した財務書類を示して二つの銀行から融資金をだまし取ったとして、詐欺の罪に問われた同社元社長篠崎洋一郎被告(56)に、横浜地裁(渡辺英敬裁判長)は19日、「企業の経営者として守るべき一線を大きく踏み越えた」として、懲役2年6月(求刑懲役5年)の実刑判決を言い渡した。

 判決によると、被告は2016年8~9月にかけて、虚偽の決算報告書を示して同社の経営状態を良好に見せかけ、横浜銀行と東日本銀行から計約6500万円の融資金をだまし取った。

 同社を巡っては今年1月の成人の日を前に突然店舗を閉鎖し、横浜市や東京都などで晴れ着を着られない新成人が相次ぐトラブルが発生した。新成人ら顧客の損失については立件が見送られている。

 同社の破産管財人によると、負債総額は約10億8500万円で、うち新成人ら顧客の被害は約3億4千万円に上る。

横浜地裁

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