外相、アフリカへ「国家制度構築支援」 対ロ交渉は語らず

 河野太郎外相(衆院神奈川15区)は19日、来年8月に横浜市で開催される第7回アフリカ開発会議(TICAD)を通してアフリカの安定と繁栄のために積極的に貢献する考えを示した。「民間の投資や国家制度をきちんと構築するための支援をしっかりやっていきたい」と述べた。

 

 河野氏はこの日、日本外交の展望について日本記者クラブで会見した。アフリカの現状は「議会や選挙、税関、入管といった国家の制度が十分に構築されていなかったり、信頼されていなかったりする国も残念ながらある」と指摘。民族や文化、宗教が重視される傾向が過激主義の温床や内戦を引き起こす要因となっているとして、安定的な国家制度構築に向けた支援の必要性を強調した。

 

 また、来年は20カ国・地域(G20)の首脳会合やラグビーワールドカップ(W杯)、新天皇の即位の礼も控え、「さまざまな方がいらっしゃる機会で、日本の外交の大きなチャンスになる」と説明。民間企業やNGOのほか、アニメといった日本特有の文化も外交の担い手になるとし、「オールジャパンの外交力を磨きながら、日本の平和と国益を守る外交を展開したい」と語った。

 

 北方領土問題を巡るロシアとの交渉に関連した質問にはこの日も「お答えは差し控える」と説明を避けた。

日本記者クラブで会見する河野外相=19日午後、東京都千代田区

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