審査書類改ざん、西京銀から融資引き出す 不動産の複数物件、金融庁が検査へ

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 西京銀行(山口県周南市)のアパート向け融資を巡り、東京の不動産会社が審査書類を改ざんして西京銀から融資を引き出した案件が複数あることが19日、分かった。改ざんされた顧客は少なくとも数十人に上る見込み。金融庁は西京銀の審査体制にも問題があるとみて、検査を進める方針だ。

 西京銀を巡っては、投資用アパート企画・管理のTATERU(タテル、東京)が顧客の預金残高を改ざんして西京銀に提出した問題が8月に発覚。西京銀は不正に気付き、この案件に融資しなかった。

 だが、西京銀の顧客から相談を受けている不動産売買デベロップメント(福岡市)の西村博貴社長によると、西京銀が実際に融資した案件が複数あるという。金融庁も西京銀幹部へのヒアリングなどで融資事例を把握しているみられ、年度内にも西京銀への是正措置を検討する構えだ。

 西村社長によると、インターネットのブログで相談を受け付けると、タテルのアパートを建てた数十人から相談があったという。このうち8割程度はアパートの購入資金として、西京銀から融資を受けていた。

 タテルの社員は融資を受けやすくするため、顧客の預金残高を改ざんし、500万~1千万円程度水増しして西京銀に提出。西京銀は顧客に金利2・5%程度で5千万~1億円程度を融資していたという。

 西京銀は8月の問題発覚後、顧客に電話をして改ざんの有無を確認しており、その際に改ざんに気付いた顧客が多いという。西村社長はこの問題に伴う風評被害などで顧客のアパート経営に影響が出かねないと懸念し、弁護士と相談して今後の対応を検討する考え。

 西京銀は顧客に電話で改ざんの有無を確認していることを認めた上で「調査中であり、回答を差し控える」としている。

 タテルは特別調査委員会を設置しており、27日までに調査結果を公表する予定。中国新聞の取材にはコメントしなかった。

 金融庁は西京銀への立ち入り検査やタテルの調査結果を踏まえ、今後の対応を判断する。西京銀の行員が審査時に改ざんを把握していたかどうかが焦点になる見通し。