市立病院に是正勧告 宿直中業務の時間外指摘 横須賀労基署

 三浦市立病院が医師や看護師、薬剤師、診療放射線技師の計34人に時間外勤務手当を支給していなかったことが19日、分かった。横須賀労働基準監督署は労働基準法違反に当たるとして是正勧告し、病院は今月末までに遅延損害金を含む計約970万円を支給する。

 病院事務局総務課によると、労基署は2月に病院に立ち入り調査を行い、3月19日付で是正勧告と指導を行った。

 是正勧告で労基署は、医師と看護師が宿直勤務中に診療などの通常業務を行った場合は、宿日直手当とは別に時間外勤務手当を支払うべきと指摘した。同課は「宿直勤務の全体の流れの一環と認識していた」と釈明した。

 また書類の不備で薬剤師や診療放射線技師らの時間外勤務の時間を正しく把握していなかった。

 病院は勧告に従い、請求権が有効な2016年2月から今年3月までの時間外手当を支給する。

 病院はほかに、職員約200人に対し、17年度の定期健康診断などの結果を提出するのが遅れたとし、指導を受けた。

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