世界遺産登録の端緒 32点 故三沢さん撮影 教会群写真展 1月20日まで 浦上キリシタン資料館

 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を構成する教会群を長年撮影し、2009年に64歳で死去した建築写真家、三沢博昭さんの写真展が長崎市平和町の浦上キリシタン資料館で開かれている。来年1月20日まで。
 三沢さんは、1970年代半ばに、日本建築学会の調査対象になっていた大野教会堂(長崎市下大野町)を撮影。教会の背景にあるキリシタンの歴史にのめり込み、以降もたびたび長崎を訪れ、各地の教会をカメラに収めた。
 2000年に集大成の写真集「大いなる遺産 長崎の教会」(智書房)を出版。この写真集を機に同年、五島市で建築関係の学会が開かれた。そこで、関係者から「長崎の教会群を世界遺産に」との声が初めて上がり、世界遺産を目指す運動が動きだした。
 今回は写真集に収録されているうち、大浦天主堂(長崎市)や頭ケ島天主堂(新上五島町)など世界遺産に含まれる教会を中心に32点を展示。三沢さんの妻で同館館長の岩波智代子さん(71)は「教会の一つ一つに物語が詰まっている。世界遺産に登録されていない長崎の教会にも目を向けてもらうきっかけになれば」と来館を呼び掛けている。
 開館時間は午前10時~午後5時。休館日は月曜(月曜が祝日の場合は火曜)、12月29日~1月4日。入館無料。問い合わせは同館(電095・807・5646)。

世界遺産を構成する教会などの写真を展示している会場=長崎市、浦上キリシタン資料館

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