ジャイアンツはトゥロウィツキーにとって理想の新天地となるか

攻撃と守備の両面で戦力アップを目指しているジャイアンツにとって、球界で古くから慣れ親しまれた名前が補強候補の1人となっている。その男とは1週間前にブルージェイズを解雇されたトロイ・トゥロウィツキーだ。2年3800万ドルの契約を残して解雇されたトゥロウィツキーは他球団とメジャー最低保証年俸の55万5000ドルで契約することができるため、多くの球団にとって魅力的な存在となっている。そして、ジャイアンツは新天地の有力候補の1つに挙げられている。

現在34歳のトゥロウィツキーは故障により2018年シーズンを全休し、2017年7月下旬を最後にメジャーの舞台から遠ざかっている。しかし、カリフォルニア州ロングビーチでメジャー球団向けのワークアウトを開催したところ、ジャイアンツを含む11球団が視察に訪れ、複数の球団が獲得に興味を示した。特にジャイアンツはファーハン・ザイディ野球部門社長とブルース・ボウチー監督が直接視察に訪れるほど積極的で、ザイディは「最低年俸で雇える優秀な選手は獲得を検討するに値する」とトゥロウィツキー獲得に興味を持っていることを明言している。

遊撃一筋のキャリアを送ってきたトゥロウィツキーだが、新天地を探すにあたって他ポジションの守備に就くことにも前向きな姿勢を示している。ジャイアンツは三塁にエバン・ロンゴリア、遊撃にブランドン・クロフォードという不動のレギュラーがいるものの、二塁のジョー・パニックは左腕を苦手にしており、トゥロウィツキーは対左腕用の二塁手としてパニックとプラトーンを形成する可能性がある。

ザイディはプラトーンの採用について「ただの代打要員やチームのマスコットにロースターの枠を割くのは効率的でないと考えている。それなら、週に4~5試合出場する選手と週に2~3試合出場する選手がいてくれるほうがいい。ナ・リーグ西部地区は左右のバランスが取れた先発ローテーションを擁するチームが多いから、左右のプラトーンでそれに対応していきたい」と語っており、来季のジャイアンツではこれまで以上にプラトーンが積極的に採用される見込みだ。

また、代理人のポール・コーエンによると、トゥロウィツキーはベイエリアでのプレイを希望しており、地理的条件でもジャイアンツはトゥロウィツキーにフィットする存在だ。ジャイアンツはトゥロウィツキー獲得に成功するのか。今後の動向に注目したい。

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