JFEスチール、千葉も高炉不調

減産規模90万トンに拡大、倉敷の復旧は1月にずれ込み

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 JFEスチールの高炉の生産トラブルが拡大した。10月の西日本製鉄所倉敷地区(岡山県倉敷市)に続き、東日本製鉄所千葉地区(千葉市)でも高炉が生産不調に陥っていることが20日、分かった。いずれも通常生産に復旧するのは1月中旬の見込みで、両高炉を合わせた減産規模は粗鋼ベースで90万トン程度になる見通し。同社の製鉄所で高炉2基が同時に大規模な生産トラブルに見舞われるのは2003年の同社発足後では初めてとみられる。

 千葉地区は主力の自動車鋼板をはじめ、生産品種の90%以上を薄板系が占める高炉1基の一貫製鉄所。車向けなどのクロム系ステンレス、鉄粉なども製造している。

 今回の高炉トラブルは先週13日に発生。通常の出銑水準に復旧するのは来年1月中旬の見込みで、粗鋼ベースの減産規模は40万トン程度になる。熱延以降の製品ラインについてはスラブの在庫や他地区材を用いて可能な限り操業を続けるが、供給が滞る懸念もあることから、すでに自動車メーカーなど主力ユーザーに対し納期調整や他地区材への振り替え要請に入った。

 必要に応じて鉄鋼他社にスラブなどの緊急応援要請も検討する。

 同高炉はトラブル発生直後に操業を一時停止する臨時休風状態となったが、すでに復旧作業に入っており部分的には操業を再開した。今後1カ月近くかけて出銑の引き上げや安定化を進めることになる。収益影響については今後精査する。

 この高炉は「第6高炉」で1998年5月に稼働した。稼働期間は20年と国内で3番目に長い。炉容積は同社の高炉で2番目に大きい5153立方メートル、日産能力は1万トン余り。

 一方、10月23日にトラブルが発生した倉敷地区の第2高炉(炉容積4100立方メートル)は、通常生産への復旧時期が当初の今月下旬から来年1月中旬にずれ込む見込みとなった。操業の安定を重視し立ち上げ計画を見直したためで、減産規模は当初の40万トンから50万トンへ10万トン膨らむ。

 同社の高炉は国内4地区に計8基あり、このうち2基が同時に不調となるのは異例。倉敷のトラブルの原因について同社は現時点で高炉付帯設備の水冷設備が破損し水漏れが生じたためとみている。千葉のトラブルの原因究明も進めている。