日本人が知らない『QRコード決済=24時間行動監視』という恐怖

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ヤフーとソフトバンクが共同で設立したスマホ決済のサービス会社『PayPay』は、当初、来年3月31日までと想定していた支払額の20%を還元するキャンペーンを12月13日で終了したと発表した。凄まじい人気だったのだ。

とはいえ、日本はまだキャッシュレスの時代に突入しておらず、電子決済を率先して使う人も少ない。「QRコード決済」と言われても「??」という人が大半だ。

「『PayPay』はインドのデジタル決済会社『Paytm』と連携していますが、ほとんどの日本人は『QRコード』による決済は、アリババやテンセントという中国の巨大ハイテク企業が強い影響力を持っているということを知りません。実は中国のハイテク企業は、中国共産党の支配下に置かれています。米国は超富裕層が政治を支配していますが、中国は超富裕層が政治のコントロール下に置かれているのです」(国際ジャーナリスト)

キャッシュレスとは「現金を使わない決済」のこと。これまで自分の財布から紙幣や小銭を数えてレジに渡し、レジの人もまたそれを数えておつりを返すという時間のかかるやり取りをしてきた。今後はこうしたやり取りは終わり、デビットカードやスマホ、アップルウオッチのようなもので「電子決済」を行う時代に入っていく。

そうなると、釣銭をごまかされたりすることもない。もちろん、汚い紙幣や偽札をもらうこともない。そもそも中国では、偽札が横行していたことから電子決済が登場したといういきさつがある。その結果「迅速、正確、清潔」な電子決済が幅を利かせた。中でも爆発的に流行しているのが「QRコード決済」なのである。

「なぜ『QRコード決済』が主流になりつつあるのかというと、使い勝手の良さとコストの面からです。『PayPay』を導入した都内の商店街の人も言っていましたが、店側は、高額で使用が難しい専用端末を用意しなくてもよい。単にQR決済コードが表示できるタブレットのようなものを店先に置くだけです。ユーザー側も、非接触決済ができる最新の高機能端末を用意しなくてもいい。iPhoneでもアンドロイド端末でも問題ありません。古いスマホでもQRコードが読めるアプリを入れればOKです」(ITライター)

中国の『AliPay』(アリペイ)や『WeChat pay』(ウィーチャットペイ)は、東アジアや東南アジアに広く進出している。アリペイは中国版アマゾンといわれている『アリババ』が展開するもので、ウィーチャットペイは中国版任天堂と言われている『テンセント』の一事業だ。

 

民官一体の監視網が広がっている

ビジネスで消費者の分析に欠かすことができないユーザーの消費動向は、すべて中国のアリババとテンセントという超巨大ハイテク中国企業が掌握することになる。それは何を意味するのか――。

「中国最強の事業家であり、アリババの創始者である馬雲(ジャック・マー)は、中国共産党の党員であることを中国政府にバラされてしまいました。つまり中国政府は、民間企業であるはずのアリペイを“掌握”し、反体制派への監視に使っていたのです。例えば反体制の人権派弁護士がアリペイで乗車券を買うと、その情報がすぐに当局に伝わり、乗車駅で待ち構えていて妨害されたりします。さらにひどくなると、突然アリペイが使えなくなったりします。困った弁護士が家族のアリペイを借りて乗車券を購入し、詐欺罪で逮捕されたこともあるのです。テンセントのウィーチャットペイも同様です。ちなみにファーウェイ製のスマホ使用で、個人情報が中国に抜き取られるのも全く同じ構造です」(前出の国際ジャーナリスト)

同様にアリペイとウィーチャットペイを通して、中国政府は外国人の消費動向をも監視することができ、中国政府の監視網が日本などでも出来上がる。

「中国人が来日して、『アリペイやウィーチャットペイを使えないのか』と騒ぎ、その購買力への期待から導入する店が増えていく。中国人個人は、ただ単に『便利だからそう希望している』だけだが、この2社のバックには中国政府が控えているのだから、アリペイとウィーチャットペイが広がるように中国政府が“導入推進運動”をさせていると考えなければならないのです」(同・ジャーナリスト)

スマートな支払いには“24時間の行動監視”がもれなく付いてくる。昔から『便利には副作用がある』とはよく言ったものだ。

 

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