〔雌阿寒岳〕約1ヶ月ぶりに噴火警戒レベル1に引下げ(12/21)

21日11:00、札幌管区気象台は、北海道釧路・十勝管内にある雌阿寒岳の噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引下げました。

雌阿寒岳付近では、11月20日からポンマチネシリ火口付近の浅いところを震源とする火山性地震が増加し、23日12:30に噴火警戒レベルを2に引上げていましたが、火山性地震は11月24日以降減少し、その後は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されておらず、地殻変動にも特段の変化はありません。12月11日に北海道開発局の協力により実施した上空からの観測や、19日に実施した現地調査では、火口周辺で熱活動の高まりは認められなかったことから、ポンマチネシリ火口から約500mの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性は低くなったと考えられます。
なお雌阿寒岳では、火山性地震が増減を繰り返すなど、しばらくして活動が上昇に転じる場合もあることから、今後の推移に留意する必要があるとしています。

【噴火警戒レベル】
・レベル5(避難):危険な居住地域からの避難等が必要。
・レベル4(避難準備):警戒が必要な居住地域での避難の準備、要配慮者の避難等が必要。
・レベル3(入山規制):登山禁止や入山規制等危険な地域への立入規制等。状況に応じて要配慮者の避難準備等。
・レベル2(火口周辺規制):火口周辺への立入規制等。
※レベル1(活火山であることに留意):状況に応じて火口内への立入規制等。

◆用語解説「火山性地震・火山性微動」
・火山性地震とは、火山体およびその近くで発生する地震のこと。身体に感じられないような微小な地震も含まれる。火山体の地下で何らかの破壊現象が起きて発生すると考えられている。
・火山性微動とは、地下のマグマやガス、熱水などの移動や振動によって観測される震動のこと。地下の岩石等の破壊によって発生する地震とは異なり、震動が数十秒から場合によっては数時間にわたって観測されることもあり、震動の始まりと終わりが明確に観測されないことが多い。

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