【平成の長崎】駅伝がテーマ映画「奈緒子」長崎でロケ 上野樹里「心の内の強さ表現」

 駅伝をテーマにした映画「奈緒子」の長崎ロケが7月23日、長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場で報道陣に公開された。
 学生時代に陸上競技の経験がある主人公の篠宮奈緒子役、上野樹里は「心の内に秘めた強さを表現するような役はこれまでなかった。陸上を通して人間の精神の強さ、弱さの葛藤(かっとう)を描いていきたい」と抱負を語った。
 「奈緒子」は200万部を超すベストセラーの漫画が原作。おぼれかけた12歳の少女、奈緒子と、彼女を助けて亡くなった男性の息子、壱岐雄介が六年後に再会。2人が駅伝を通じて成長していく物語。壱岐をモデルにした「波切島」が舞台となっている。
 この日、本県地方は梅雨明け。30度を超す猛暑の中、雄介が短距離から駅伝に転向するきっかけとなった陸上記録会などを撮影した。上野のほか、雄介役の三浦春馬、陸上部監督役の笑福亭鶴瓶らが参加。一般公募のエキストラ四百人超が観客や競技役員として見守る中、古厩智之(ふるまや・ともゆき)監督が指示を与え、優勝インタビューのシーンなど一シーンずつ丁寧にカメラを回した。
 古厩監督は「走る部員たちの迫力や汗に勝るものはない。シンプルに分かりやすく撮りたい」と述べた。
 「奈緒子」の長崎ロケは8月初旬まで。公開は来春の予定。
(平成19年7月25日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

映画「奈緒子」の出演者。(右から)笑福亭鶴瓶、上野樹里、三浦春馬=長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場
出演者に演技指導をする古厩智之監督(中央)

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