羽生善治さん「無冠」 平成30年の軌跡 将棋界の巨星 【写真特集】

第31期竜王戦7番勝負第7局の2日目に臨む羽生善治竜王=2018年12月21日、山口県下関市 右は当時の竜王を破り、初の10代タイトル保持者になった羽生善治六段=1989年12月27日、都内

【頭に手をやる羽生前竜王】

将棋の第31期竜王戦7番勝負で敗れ、対局を振り返る羽生善治前竜王。27年ぶりに無冠となった=2018年12月21日夜、山口県下関市

 将棋の羽生善治竜王(48)は12月21日、山口県下関市で指された第31期竜王戦7番勝負で挑戦者の広瀬章人八段に敗れてタイトルを失い、27年ぶりに無冠となった。将棋界は新星の藤井聡太七段の登場、さらに八大タイトルを7人がひしめく群雄割拠の時代になった。

 多くの将棋ファンがネットを通じて見守っただろう。勝ち筋が見えたときに羽生さんの手が震える、その瞬間を。「一局一局が難しい内容が続いた。細かいところの選択を間違えてしまった。今回をしっかり反省して先につなげたらいい」。淡々とした口調はむしろ威厳さえ感じる。

 1年前、国民栄誉賞が報じられた直後の記者会見で、将棋ソフトやAI(人工知能)の出現についてどう考えているか羽生さんは尋ねられた。「コンピューターは膨大な情報を生み出してくれる。それを受け入れるか、受け入れないかは人間の美意識によるところが非常に大きい」。印象的な答えだった。平成30年間の羽生さんの棋士としての軌跡を写真特集にまとめた。

(構成 共同通信=柴田友明)

※肩書、所属、場所の名称は撮影当時です。

【19歳で初タイトル】

熱戦を振り返り局後の検討をする羽生善治新棋王(右)、手前は南芳一王将=1991年3月18日午後8時、東京・千駄ヶ谷の将棋会館

【初の名人位】

米長名人を破って初の名人位を獲得した羽生善治棋士=1994年6月7日午後9時35分、北九州市内のホテル

【史上初の七冠】

史上初の7冠を達成し、笑顔で会見に臨む羽生善治=1996年2月14日、山口県内のホテル

【写真特集】

史上初の7タイトル独占を報じる新聞を読む羽生善治・七冠王=1996年2月15日午前8時、山口県内のホテル

【写真特集】

総理大臣顕彰を受けた後、橋本竜太郎首相(右)に将棋盤をプレゼントする羽生善治さん=1996年3月21日午前11時30分、首相官邸

【結婚、そして長女誕生】

1997年8月、長女と一緒に写真に納まる羽生善治四冠と理恵夫人=東京都渋谷区 

【写真特集】

第27期「棋王戦」で12連覇を達成した羽生善治棋王=2002年3月8日夜、東京・千駄ケ谷の将棋会館

【史上最速の1000勝達成】

公式戦通算1000勝を達成し、笑顔で対局を振り返る羽生善治2冠=2007年12月21日午前0時40分、大阪市福島区の関西将棋会館

【写真特集】

将棋の竜王戦第6局で渡辺明竜王に敗れてうつむく羽生善治4冠=2008年12月11日午後、新潟県南魚沼市

【故大山康晴15世名人を抜きタイトル獲得数が81に】

対局を終えて大盤解説の会場に姿を見せた、通算タイトル獲得81期の新記録を樹立した羽生善治棋聖・王位(左端)。後方右端は中村太地六段=2012年7月5日午後、島根県江津市

【写真特集】

電王戦の記念イベントで、元世界王者のガリ・カスパロフ氏とチェス対局する、将棋の羽生善治4冠=2014年11月28日午前、東京都港区

【史上初の永世七冠】

史上初めて永世7冠を達成、大盤解説場でファンに拍手を送られる将棋の羽生善治竜王(左)=2017年12月5日午後、鹿児島県指宿市

【国民栄誉賞】

将棋界で初の国民栄誉賞に決まった羽生善治さん=2018年

【写真特集】

国民栄誉賞の受賞記念祝賀会で、将棋の羽生善治二冠(左)と談笑する井山裕太碁聖=2018年4月27日午後、東京都内のホテル

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