今年、新たな取り組みはシンガーソングライター、Ka―Na(植村花菜)のマネジメント、NPO団体、「CATCHUSパフォーミングアーツ」の副代表理事への就任、ニッポン・アメリカ・ディスカバリー映画祭の立ち上げ。まさに獅子奮迅の活躍だった。
さらに今年はレコードレーベルとして会社を立ち上げてから15年、イベント事業を始めて10年という節目の年でもあり、撒いてきた種が花開いた1年だったと実感しているという。
「ようやくスタート地点に立てたという気持ち。これまで求められれば赴いて話を聞いて、の繰り返し。あちこちに点在する小さな芽をどうつなげたら線にできるか考えてきました。その中で大切なのはやはり人とのつながり。地道にやってきて周りから信頼を得て、僕だから開けてもらえるドアが増えたのかなと思います」
10年前、音楽の枠を超えて、より広範囲なイベント事業を手掛けることを決めたときに抱いた思いが今も根底にある。既製品や複製できるものは、「それが生み出される瞬間を捉えられない」。その場所で、その時にしか体験できない、ライブイベントでしか生まれない感動を伝えることが自身のライフワークだと感じた。
「感動が伝えられるものは、人を動かすと思っています。感動した人はそれをさらに伝えるために次のアクションを起こす。既製品はどうしてもキレイに補正されてしまいザラザラ感がなくなる。キレイなものは感心はするけど感動はしない」
大切なのは「継続」。「継続」でしか人と人をつなぐコミュニティーはつくれない。12年に立ち上げた独立系の短編映画祭、ニューヨーク・ジャパン・シネフェストは7年目。09年から始めた音楽イベント、「Jサミットニューヨーク」はすでに40回を超える。
「人間の作るものは面白い。よくこんなこと考え付くなという人がまだまだいっぱいいる。もっとつなげていきたい」
2019年も継続がテーマだ。