(2)創成館センバツ8強 レベル高い複数投手

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 春の選抜高校野球大会で創成館が初めて8強入りした。3回戦で智弁学園(奈良)に延長サヨナラ勝ち、逆に準々決勝は智弁和歌山に延長サヨナラ負け。球児たちによる筋書きのない熱闘ドラマは甲子園を沸かせた。

 創成館は昨秋の九州大会で初優勝すると、続く明治神宮大会も県勢過去最高となる準優勝。準決勝で根尾昂、藤原恭大ら超高校級の選手を擁する大阪桐蔭を倒して、一躍脚光を浴びた。選抜で大会前から「優勝候補の一角」に挙げられた県勢は、全国制覇した2009年の清峰以来だった。

 高校日本代表に選ばれた主将の峯圭汰、智弁学園戦でサヨナラ本塁打を放った松山隆一ら打撃陣も勝負強かったが、最大の特長は堅守。その柱となったのは、左右の豊富な投手陣だった。

 昨秋の県、九州、明治神宮大会と今春の選抜の計16試合中、完投試合は1試合。残り15試合は継投で、延べ40人超が登板した。プロ野球の阪神に入る左の川原陸を筆頭に、戸田達也、七俵陸、酒井駿輔、伊藤大和ら一人一人がエース級の投球を披露。故障防止などから重視されている「複数投手制」を、高いレベルで実現させていた。

 第100回大会の節目を迎えた夏も、長崎大会を制して甲子園に出場。「最強世代」と評された大阪桐蔭に年間公式戦で唯一勝っていたこともあり、人気は選抜以上だった。だが、結果は初戦で創志学園(岡山)に0-7の完敗。相手右腕の球質や勢いに序盤から押され、攻守とも後手に回った。好チームの早すぎる終戦だった。

 新チームの戦いとなった今秋は様相が一変。県大会は実力伯仲の好勝負が続き、結果、長崎南山が優勝、長崎商が準優勝して九州大会に出場した。両校が九州4強入りを逃したため、県勢の選抜出場は絶望的だが「創成館一歩リード」の情勢は大きく変わった。

 その創成館を県大会2回戦で倒した離島の壱岐、3回戦で壱岐を下した部員20人未満の佐世保北など、環境や部員数に恵まれない中、随所に工夫を凝らして存在感を示すチームも出てきた。今月から来年3月初旬までは対外試合禁止期間。この真の地力を養う冬の間に、どのチームが、どの選手が成長してくるか。今年の創成館以上の活躍ができるチームの台頭が期待される。

春の選抜高校野球大会で8強入りした創成館=兵庫県西宮市、甲子園球場