(5)サッカーW杯 吉田2大会連続出場

 6、7月のサッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会で、日本は下馬評を覆して1次リーグを突破。初の8強入りが懸かる決勝トーナメント1回戦はベルギーに2-3で惜敗したが、大健闘だった。サムライブルーの躍進に長崎市出身のDF吉田麻也(サウサンプトン)と森保一コーチも力を発揮した。

 吉田は初出場した2014年ブラジル大会で1勝もできずに終わった。その悔しさをバネにプレミアリーグで経験を積み、ただ一人、16、17年のアジア最終予選で全10試合にフル出場。今年は1~3月に左膝などの負傷で離脱したが、順当に代表入りした。

 今大会はディフェンスリーダーとして、全4試合にフル出場した。初戦の相手は4年前に敗れたコロンビア。この大事な一戦でファルカオら強力な攻撃陣に対応して、2-1の勝利に貢献した。続くセネガル戦は元同僚のマネをマーク。2-2の引き分けに持ち込んだ。ポーランド戦は0-1で敗れたが、エースのレバンドフスキを封じた。ベルギー戦は主砲のルカクを抑えてゴールを許さなかった。

 長崎市内では試合のたび、パブリックビューイングを開催。親族や田上富久市長も会場を訪れ、ファンらは市が用意したうちわを手に「ニッポン」「マーヤ」コールで声援を送った。後援会事務局の飲食店「レッケル」もにぎわった。

 大会後、西野朗監督が退任し、後任に森保氏が選ばれた。20年東京五輪の監督と兼ねる大役を託され「覚悟と感謝。二つの気持ちを持って、職責を全うしたい」と抱負を述べた。

 主将を務めた長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)も、代表に区切りをつける意向を表明。10月の国際親善試合で森保監督は「日本代表の中でもトップクラスの経験の持ち主で、クラブでも世界のトップで戦っている」と吉田を新主将に指名した。吉田は「僕のポジション、プレー、キャリアから考えると、どう考えても、まとめていかないと」と覚悟を新たにしていた。

 チームは22年のW杯カタール大会を目指して、実戦を重ねていく。年明けすぐに、2大会ぶりの優勝を目指すアジア・カップが開幕する。19年も長崎市出身の2人が中心となる「森保ジャパン」の動向に注目が集まる。

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