対馬支局/海空の交通問題に動き

 対馬市では今年、もっとも近い九州本土、福岡市と結ぶ海路・空路をめぐる交通問題で動きがあった。

 海路では、韓国・釜山-博多を結ぶJR九州高速船のジェットフォイル「ビートル」のうち、対馬経由便に国内線客も乗る「混乗便」が7月23日から実現。フェリーで約6時間かかっていた比田勝(対馬市上対馬町)-博多間は、約2時間に短縮され、対馬北部地域の生活環境が改善された。

 一方で、11月末までの混乗便の搭乗率は比田勝発の便が55・2%(全26席で平均14・4人)、博多発が39・5%(同10・3人)で低調。対馬市は「航路維持には6割以上の搭乗が必要」としており、島民の積極的な利用と併せ、混乗便を使った福岡から対馬への観光誘客が急務だ。

 空路では、全日空が福岡-対馬間で約20年間運航してきたジェット機「ボーイング737-500」(126席)が10月27日、老朽化に伴い退役。全便がプロペラ機(74席)となり、輸送人員や貨物容量が減った。対馬市は後継機でのジェット再就航を目指しているが、そのためには対馬空港滑走路の延伸が必要。国、県への粘り強い要望が求められる。

■主なニュース

 ▼釜山-比田勝間の高速船定期航路に韓国の船会社が新規参入▼市内の全小中学校と市議会にタブレット端末を導入▼対州そばが農林水産省の「地理的表示(GI)保護制度」に登録▼米軍の大型ヘリが対馬空港に緊急着陸▼国民保護訓練を県市が実施▼対馬の船会社が釜山-厳原間の大型カーフェリー不定期運航を開始▼IT人材養成スクール「デジタルハリウッドSTUDIO対馬」が開校

博多港に向け初めて運航するビートル「混乗便」に乗り込む島民ら=7月23日、対馬市、比田勝港

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