鶏肉加工品、聖夜控え搬入ピーク 中国産「管理を徹底」

 ローストチキンや焼き鳥、唐揚げなどで親しまれている鶏肉加工品。大消費地である首都圏に近く物流機能が集積している川崎港は、2017年の輸入が数量、金額ともに12年連続で全国1位となった。クリスマスで需要が高まる12月を迎え、川崎市内の冷凍倉庫では搬入がピークを迎えている。

 横浜税関によると、17年の全国の輸入数量は前年比15・3%増の48万7千トン、金額は2521億3500万円で20・2%増だった。川崎港の数量は4・7%増の12万6千トン、金額は7・7%増の662億7700万円で、ともに全国の4分の1を占めた。

 川崎市川崎区東扇島には近年、冷蔵冷凍設備を備えた物流拠点の設立が相次いでいる。マイナス25度以下に保たれて冷蔵冷凍貨物を扱う倉庫では、中国産の鶏の唐揚げが大量に保管されている。

 輸入先は全国、川崎港ともタイと中国でほとんどを占める。両国からの輸入が増えている理由について、鶏肉加工品などの輸入販売を手掛けるジャパン・フード・サービス(本社・兵庫県西宮市)の担当者は「中国などの協力工場は衛生管理を徹底しており日本の基準を満たしているため」と説明。外食店舗向けに、日本人が好む希少部位を含むさまざまな部位の焼き鳥や、衣が薄く肉厚の唐揚げを増産しているという。

 横浜税関によると、鶏肉は脂肪が少なく、健康によいことが知られるようになったことや、コンビニなどで唐揚げやサラダチキンなどの人気が根強いことから、今後も輸入が伸びるとみている。

輸入された鶏の唐揚げを調べる横浜税関職員=川崎市川崎区の冷凍倉庫

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