人気キャラ「くろくまくん」絵本になって10周年 西宮在住のたかいさん作

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くろくまくんの絵本を前に目を細めるたかいよしかずさん。「キャラクターは自分の子どものよう。いい環境で大切に育てていきたい」=大阪市西区南堀江3

 兵庫県西宮市在住のキャラクターデザイナー兼イラストレーター、たかいよしかずさん(57)が生み出した人気キャラクター「くろくまくん」が絵本になって10周年を迎えた。くもん出版(東京都)から発行された絵本は36冊まで増え、たかいさんは「多くの人に愛され、そばに置いてもらい、幸せなキャラクター。皆さんに育ててもらえてうれしい」と喜んでいる。(金山成美)

 くろくまくんが誕生したのは、絵本化の約10年前。たかいさんがレターセット用に作ったものの採用されず、お蔵入りしていた。「かわいくて愛着があって、そのまま眠らせたくなかった」との思いから、フィギュアを作製。数年後に東京で開催されていた招き猫の展示会場に並べたところ、編集者の目に留まって絵本になった。

 たかいさんが「春夏秋冬で4冊作りたい」と希望し、2008年に「おさんぽ くろくま」「ゆきのひ くろくま」を発行した。年齢は5歳、9月6日(くろ)生まれ、父と母、妹、弟の5人家族という設定。ちょっとおとぼけで好奇心旺盛、元気いっぱいな姿が、幼い子どもや親の間で人気を呼んだ。

 「季節を細分化して1カ月に1冊、1年分の作品を」と構想を膨らませ、「おはなし・くろくま」シリーズとして年に1、2冊発行を続けてきた。

 「子どもの絵本で色数が少ないのはおしゃれ」と考え、先に色を決めてイメージを膨らませ、基本的に2色しか使わず濃淡で表現。「楽しい、優しい、うれしいという気持ちになれるように」と子どもの目線を大切にし、四季の移り変わりや季節感のある行事を織り交ぜて描いている。韓国語やフランス語にも翻訳された。

 くろくまくんは、教育サービス「Baby Kumon(ベビークモン)」の公式キャラクターにも“就任”。色や形、数字に親しむ知育絵本「わくわく・くろくま」シリーズや、すごろくや時計などを学ぶ絵本も登場し、おもちゃ、シールやぬいぐるみといったグッズも販売されるなど、活躍の場を広げてきた。

 「絵本は隅々まで眺めて自分なりの楽しみ方ができる。子どもたちが面白いと感じる仕掛けをこれからも用意していきたい」と、たかいさんの創作意欲は尽きない。くろくまくんはさらに躍動しそうだ。 【たかい・よしかず】堺市生まれ。大阪芸術大学デザイン学科卒業。2001、03、06、11年のボローニャ国際絵本原画展入選。西宮市の観光キャラクター「みやたん」や明治「マーブルチョコレート」のキャラクター「マーブルわんちゃん」を手がけ、イラストレーターとしても活躍している。招き猫とだるまを合体させた“世界一おめでたい”キャラクター「ネコダルマンワールド」も展開。京田クリエーション社長。