IHI(東京)と芸工大が協定 工学とデザインが融合、学内に研究室

©株式会社山形新聞社

 工学とデザイン思考の融合による課題解決型の事業展開を目指し、重工業大手のIHI(東京都)と東北芸術工科大(山形市)はビジネスパートナー協定を結んだ。同社が学内にラボ(研究室)を設け、県内企業の製品開発や創業支援などを通して産業振興を図る。2019年1月から本格的に始動する予定。

 同社は同様の協定を販売代理店との間で結んでおり、大学と交わすのは初めて。課題解決に必要な論理的思考力の育成に力を入れている芸工大の教育実践に注目。連携を通じて、機器を供給する「もの売り」から、売るための仕組みづくりなどの「こと売り」への展開を目指すという。

 ラボは両者の頭文字から「I—To(いと) Lab.(ラボ)」と名付けた。推進する事業として▽本県と東北地方の産業振興▽県内企業の製品開発、販路開拓▽創業支援▽雇用創出▽自治体の課題解決—を掲げた。所長を同社の森勉東北支社長、副所長を芸工大の日野一郎デザイン工学部長が務める。

 行政や金融機関と協力し、県内の成長技術や中小企業に関する情報収集の仕組みも構築する考えで、同社の経営資源と芸工大の知見を生かした事業化を目指す。

 協定は今年8月に締結。ラボの始動に向け、12月から同社と学生とのワークショップを始めた。芸工大の担当者は「学生は企業の具体的なプロジェクトに関わることができ、大学が力を入れている実践型の教育が一層強化される」と展望する。同支社の担当者は「デザイン思考ができる大学、学生たちとの連携により、イノベーションの種を大きく膨らませることができると期待している」としている。