ピカソも所有した大津絵の魅力 仏研究者「造形の面白さ」語る

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大津絵が欧州の芸術家に与えた影響について、専門家らが語り合ったシンポジウム(大津市におの浜1丁目・ピアザ淡海)

 江戸時代に大津で生まれた民衆絵画「大津絵」に関するシンポジウムが22日、大津市におの浜1丁目のピアザ淡海で開かれた。大津絵研究で知られるフランス国立極東学院のクリストフ・マルケ院長と、日本文化史に詳しい「MIHO MUSEUM」(甲賀市)の熊倉功夫館長が登壇し、海外の著名な画家にも影響を与えた絵の魅力を探った。

 熊倉館長は、民芸運動を提唱した柳宗悦が大津絵に魅せられていたことを紹介し、「画題に民衆の批判精神を見いだしたのだろう」と分析。風刺を織り込んだ絵は無名の絵師が描いており、没個性的な作風が、個人の才能による美を否定した宗悦の目に止まったとし、「美の理論として今も色あせていない」と評価した。

 マルケ院長は、20世紀初頭にドイツ、フランス、英国などで展覧会が開かれた歴史を紹介。浮世絵や春画を収集したピカソも大津絵を所有していたといい、「造形の面白さに気づき取り込んだのではないか」と語った。

 シンポは来年4~6月にパリで開かれる大津絵の大規模展覧会を記念して大津市が企画、約300人が聞き入った。