【MLB】上原浩治、21世紀のRソックスFA補強で4位に“格付け” 「支配力」に絶賛の声

2013年のワールドシリーズで“胴上げ投手”となった上原浩治【写真:Getty Images】

2013年にレッドソックスに加入、「プランC」から守護神就任で世界一貢献

 今オフに左膝の手術を受け、一時は自由契約になっていたものの、巨人と再契約した上原浩治投手。来年4月に44歳となる右腕は、2013年には守護神としてレッドソックスの世界一に大きく貢献したが、栄光の記憶は今もファンの脳裏にしっかりと刻まれている。米メディアでは、今季のワールドシリーズ王者に輝いたレッドソックスが、21世紀になってから行ったFA補強のトップ10を格付けする企画を行い、2013年から4年間活躍した絶対守護神が堂々の4位に選出されている。

「今世紀レッドソックス最高のフリーエージェント10傑」と特集したのは地元紙「グロスター・デイリー・タイムズ」。記事では、以下のように伝えている。

「どの球団のフロントもフリーエージェントは不正確な科学だと証言するだろうが、レッドソックスはワールドシリーズの優勝リングに導くカタルシスとなるような契約で当たりをかなり多く出している」

 21世紀でメジャー最多となる4度の世界一に輝いている名門は、FA市場においても巧みな立ち回りを見せているというのだ。そして、2013年のワールドシリーズ制覇に貢献した「Koji Uehara」は多くのスター選手を差し置き、堂々の4位に選出されている。

 2012年シーズンオフにレンジャーズからFAとなり、レッドソックスと年俸475万ドル(約5億3000万円)の1年契約を結んだ上原。特集では「ウエハラの抑えは2013年にプランA(ジョエル・ハンラハン)でもなければ、プランB(アンドリュー・ベイリー)でもなかったが、プランCは彼が一旦チャンスを手にすると、ほぼ自動的な選択肢となった」と契約初年度を振り返っている。

「支配力は2016年にキンブレルにバトンを渡すまで続いた」

 当初はメジャー通算100セーブの右腕ハンラハンが正守護神だった。だが、ハンラハンは右肘の故障でトミー・ジョン手術を受け、代役のベイリーも故障で離脱。クローザー構想では「プランC」だった上原が“世界一請負人”となった。

「(当時GMの)ベン・チェリントンは元日本プロ野球の38歳にかけた。そして、ウエハラは輝いた」

 2013年シーズンの上原は73試合登板で4勝1敗13ホールド21セーブ、防御率1.09という圧倒的な成績をマーク。WHIP(1イニングあたりの四球+安打)はシーズン50イニング以上投げたリリーバー史上最高の「0.565」という無敵ぶりを誇ったというデータも記事では紹介している。

 そして、ポストシーズンでも「コウジ」の無双は続き、タイガースとのア・リーグ優勝決定シリーズではMVPに輝いた。

「あの支配力は2016年にクレイグ・キンブレルにバトンを渡すまで続いた」

 2016年シーズンに加入したキンブレルに守護神の座を譲り、セットアッパーとなった上原は、同年オフに契約満了となりカブスに移籍。そして、昨オフに巨人に復帰した。だが、圧倒的な制球力と切れ味抜群のファストボール、そして鋭く落ちるスプリットでフェンウェイパークを沸かせた上原は、ボストンのヒーローとしてファンやメディアに記憶されている。

 格付け1位にはメジャー通算541本塁打の「ビッグ・パピ」こと、デビッド・オルティス元内野手、2位は日本の独立リーグ・高知でもプレーしたマニー・ラミレス元外野手、3位は今オフに加入して大活躍したJD・マルティネス外野手という、強烈なスーパースターたちが並んだ。

 5位はキース・フォーク元投手、6位はジョニー・デーモン元外野手、7位はビル・ミラー元内野手、8位はデビッド・プライス投手、9位は今季限りで現役引退を発表したエイドリアン・ベルトレ元内野手、10位はジョン・ラッキー元投手がそれぞれ選ばれている。(Full-Count編集部)

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