法王訪日「来年11月後半」 枢機卿が見通し

長崎から平和発信へ

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 ローマ法王フランシスコが来年の終わりごろに被爆地長崎などを訪問する意向を示していることについて、前田万葉枢機卿=カトリック大阪大司教区大司教=は23日、長崎新聞社の取材に応じ、訪日は「来年11月の後半になるのではないか」との見通しを示した。法王は長崎で核兵器廃絶を訴える「平和アピール」を発表したい考えで、政治が果たすべき役割にも言及する可能性があると指摘した。
 法王は被爆地広島、東京も訪ねる予定。日本滞在は2泊3日~4泊5日程度が見込まれ、今後調整を進める。前田枢機卿は「日程次第では長崎なら外海地区、県外なら原発事故があった福島、沖縄なども訪問先の選択肢になる」と語った。
 法王は東京で天皇陛下や安倍晋三首相と面会する見通し。前田枢機卿は、4月30日の天皇陛下退位と翌日の新天皇即位に伴う「大嘗祭(だいじょうさい)」が11月14~15日に催されることを含め国内、法王双方のスケジュールを勘案すると、訪日は11月後半の可能性が高いと指摘した。
 法王は、原爆投下後の長崎で撮影されたとされる「焼き場に立つ少年」の写真と核廃絶に強い関心を寄せている。17日にバチカンで面会した前田枢機卿に対し「長崎から平和アピールをしたい」と語ったという。広島でも同様にアピールする可能性が高いという。
 前田枢機卿は「法王は日本の高齢者の孤独死と若者の自殺も気にされている。この点についても何らかの形でメッセージを発信すると思う」と述べた。
 1981年2月23~26日に東京、広島、長崎を訪問した故ヨハネ・パウロ2世は、広島で核廃絶を訴える「広島平和アピール」を読み上げた。今回、本県関係者の間には長崎からの平和アピール発信を期待する声がある。

潜伏キリシタン遺産の構成資産の一つ、「外海の出津集落」=長崎市西出津町