3位、ベスト4、ベスト4、優勝、4位。
このデータは今季の鹿島アントラーズが残した成績である。左からJ1、ルヴァンカップ、天皇杯、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)、クラブワールドカップの成績である。
今季はなんといっても、悲願のACL優勝を果たせたことが一番のビッグニュースだ。これまでの歴史を塗り替え、アジアの頂点に立った事実はとても誇らしい。
だが、他のコンペディションでも優勝の可能性がありながらも、結果的に手にしたタイトルはACLのみ。アジア制覇だけで万歳ではあるのだが、特にルヴァンカップと天皇杯は十分可能性があっただけに、悔しさも残る1年となった。
鹿島リポートvol.19となる今回の当コラムでは、鹿島アントラーズの2018年シーズンをポジションごとに振り返り、今年を締めくくりたいと思う。なお、基本フォーメーションと最終陣容は下記の図の通りだ。
■GK/アジア制覇に欠かせなかった守護神
最後尾は今季もクォン・スンテと曽ヶ端準による争いが繰り広げられたが、2年目のクォン・スンテがポジションを奪取した。
安定感のあるセービングに定評のある背番号1は、ACLでも流石のパフォーマンスを披露。数々の好セーブで悲願のアジア制覇を支えた。
自身としても3度目のACL制覇となり、その経験値の高さがチームにもたらした影響は大きかった。
■DF/移籍とアクシデントに見舞われつつも
多くの実力者を擁したサイドバックは、右が西大伍、左が山本脩斗というベテランの両名が1番手に。
とはいえ、内田篤人、安西幸輝、伊東幸敏も存在感を示し、ポジション争いは熾烈だった。特に7年半ぶりに帰還した内田は、カップ戦でスターターを任される事が多く頼りになった。
そしてCBは、植田直通が7月にベルギーへ旅立ち、要の昌子源がケガに苦しむなど、難しい局面が多々あった。
その中でも、清水エスパルスから獲得した犬飼智也、7月にサガン鳥栖から加入しすぐフィットしたチョン・スンヒョンの奮闘が目立った。更に、ビルドアップ能力に長ける町田浩樹はリーグ戦8試合で2得点を記録するなど攻撃面でも才能を示した。来季の本格ブレイクに期待大だ。
■MF/誰が出ても機能した盤石のセクション
三竿健斗、永木亮太、レオ・シルバ、小笠原満男の4人が主に起用されたボランチは、三竿健が不動の地位を確立。それだけに、クラブワールドカップの欠場は残念だった。
サイドハーフとサイドバックもこなした永木は汎用性の高さが際立ち、レオ・シルバはACL決勝での先制点が印象的だった。
そしてサイドハーフは、ベストヤングプレーヤー賞に輝いた安部裕葵が切れ味鋭いドリブルで存在感を発揮。
両サイドハーフでも起用された安西幸輝は途中出場から推進力をもたらした。
またシーズン終盤には、山口一真と田中稔也に出番が与えられ、貴重な経験を積んでいる。来季は出場機会を増やし、ゴールに絡む仕事を果たしてほしいところだ。
■FW/神様、仏様、セルジ様
シーズン中に金崎夢生(サガン鳥栖)、ペドロ・ジュニオール(中国2部の武漢卓爾)を失った最前線は、鈴木優磨が名実ともにエースへと成長。
チーム内得点王となるリーグ戦11ゴールを決め、フィールドプレーヤーとしては最長となるプレー時間も記録した。
そして救世主的存在となったのが、7月末に加入したセルジーニョだ。
ジーコが獲得を進言したレフティーは早速チームに馴染み、ゴールを量産。ACLでは5試合連続得点で文字通りの牽引車となり、アジア制覇の原動力となった。
来季は最低でもリーグ戦15ゴールの活躍を求めたい。それだけのパフォーマンスができる選手であるのは間違いないはずだ。
2018/12/23 written by ロッシ