<レスリング>【2018年天皇杯全日本選手権・特集】健闘選手の声(女子)

(2018年12月20~23日、東京・駒沢体育館/取材=布施鋼治、渋谷淳、曽祢真依、熊木玲佳)


 ■女子50kg級・登坂絵莉(東新住建=準決勝で入江ゆきに敗退)「4-4になった時点で、正直、頭が真っ白になっていた。最初に行かなかったことが悔しい。熱くなりすぎてしまった。返しの練習はしていたけれど、前半押されすぎた。早い段階での攻防をしたかった。あと半年はあっという間なので、6月に向けてもう一回頑張りたい。何がいいのか迷っていて、新しいレスリングをするか、もう一度考え直したい。

 (3位決定戦で吉元玲美那に勝利したあと)「きのう負けたことは、時間を戻したくても戻らない。切り替えて、今日から6月の明治杯に向けたスタートを切ろうと思っていた。6月に勝たないとそこで終わってしまうので絶対に勝ちたい。半年間、構えから動きやすいように変え、攻撃のレパートリーも増やしてきた。練習では取れるのに、試合ではいつもと違う力がかかってできないことがある。もっと練習から速い展開を意識したい」


 ■女子50kg級・加賀田葵夏(青山学院大=決勝で入江ゆきに完敗)「入江選手は今までやって一回だけ勝ったことがある相手。ただ、全日本合宿で練習して、勝てるイメージの持てない相手だった。もっと自信をつけないといけない。シードでもなかったのに決勝まで残れたことは、今回のよかった点。この階級には登坂選手や入江選手、五十嵐選手、出ていなかった須﨑選手といった全日本の上位に安定して入っている人たちがいる。今回はまぐれという感じだったので、自分もその争いに入れるようにしたい。

 来年の明治杯では須﨑選手もケガから復帰していると思うし、本当のトップの人たちとどう闘っていくかを研究していくことが必要。具体的にどの大会を目指すというのは、まだ自分の今のレベルでは想像できない。学生の大会でも確実に上位にいられるよう、身近なところから頑張りたい」


 ■女子53kg級・入江ななみ(福井県スポーツ協会=決勝で向田真優に惜敗)「最初ポイントを取られた時、ポイントを取り返しにいこうと思った。でも、向田選手のペースのままだったと思う。自分のペースに持っていけなかったのが敗因。全然練習したことが出せなかった。まだまだ自分はもっと強くなれるという思いがある。涙も出てこない感じ。弱いから負けたんだなと思う。けっこう練習してきたと思うけど、相手の方がまだまだ上手だった。自分が決勝に行けたのは奥野さん(春菜=体調不良により棄権)がいなかったからですが、6月は世界選手権で優勝する選手を倒して優勝したい」


 ■女子57kg級 川井梨紗子(ジャパンビバレッジ=決勝戦、ラスト10秒でテークダウンを許し逆転負け)「負けました。(最後の10秒は)流れだったと思う。オリンピックを目指していることに変わりはないので、頑張らなきゃいけないと思う。やっぱり馨さんは馨さんだし、2年のブランクがあっても強い選手なことに変わりはない。2年あったからと言って、私が余裕で勝てるかと言ったら、そうではない。ポイントをリードして気持ちが引いたことはなかった」

 


 ■女子62kg級・熊野ゆづる(日大=決勝で世界選手権2位の川井友香子に食い下がるも敗れる)「(川井と)インカレで対戦したときは0-8で負けていて、今日は前に詰めていこうとしたけど、攻め切ることができなくて負けてしまった。インカレのときに比べればいい方向に向かっていると思う。今年は病気で練習を休むことが多かった。11月のU23世界選手権で優勝できなかったけれど、そこから今大会まで追い込んで練習ができた。2019年は明治杯が勝負。そこで自分の力を出して勝ち切りたい」

 


 ■女子68kg級・渡利璃穏(アイシン・エィ・ダブリュ=復帰してきた土性沙羅に惜敗して準優勝)「相手が100パーセントではなく、自分もけがをしている中で、自分の中ではすごくいい動きで闘うことができた。次につながるいい闘いができたのではないかと思っています。68kg級で闘うと決めたからにはもっと筋力をつけていかないと、外国でも日本でも絶対に勝てない。タックルで取り切る力はだいぶ戻ってきてはいるが、まだ大事なところで取り切れていないので、もっと力をつけていきたい。

 (残り40秒のタックルについて)あそこまで入り込めたことは良かったけれど、急ぎすぎて、まっすぐ出る力が途中で止まってしまった。取りにいけるようもっと練習したい。来年6月の明治杯に優勝しない限り世界選手権に出場することはできない。この半年で何ができるか、いろいろな課題は見つかったので、一つずつ取り組んで次は勝てるようにしていきたい」

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