技能実習生失踪が急増 2017年の2倍超に【大分県】

外国人労働者来春から拡大、対策強化待ったなし

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 県内で外国人技能実習生の失踪が急増している。県警が今年、行方不明届を受理した数は114人(11月末時点)で昨年1年間の49人を大きく上回る。背景には実習生の増加に加え、「人手不足で少し高い賃金を払ってでも働き手が欲しい企業に流れている」との見方がある。2018年4月からは外国人労働者の受け入れが拡大される。住民の不安につながらないよう、防止対策の強化が求められる。

 失踪は全国的に増えている。県警生活安全企画課によると、県内は国籍別でベトナムが56人で最多。カンボジアが30人、中国が18人と続く。逃げる前、同僚らに「収入が不満」と漏らしていた実習生もおり、より待遇のいい職に就くのが目的とみられる。

 関係者によると、失踪にはブローカーや外国人ネットワークが関与するケースが多い。高い賃金を求めたり、在留期間を過ぎても日本にとどまりたい人を募り、在留カードを偽造させるなどして人手不足の企業にあっせんしているという。

 県警は2017年5月、中津市内に不法残留していたベトナム人実習生ら11人を逮捕した。起訴された30代の男性は公判で、「実習先を紹介するベトナムの会社に大金を支払っており、返済のため帰れなかった」と主張。現在の実習制度が抱える問題点が垣間見えた。

 12月8日、改正入管難民法が成立。新たな在留資格が設けられ、外国人労働者のさらなる増加や滞在期間の長期化が見込まれる。

 人手不足の改善へ期待がある半面、犯罪の増加などを懸念する声がある。

 県警は受け入れ企業からの要請があれば、実習生らに日本での過ごし方や、法令を教える研修を実施している。「失踪は不法就労に結び付き、過度に増加すれば社会に不安を招く。不法在留の取り締まりを強化するなど、適切な対策を講じていきたい」と話している。