上五島支局/「景観」の魅力 継続的に

 新上五島町は、町内にある国選定重要文化的景観の情報発信施設「島のふれあい館」を9月、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「頭ケ島の集落」内に開設した。石材業や、かんころ製造などに関わる景観を紹介している。
 同町の重要文化的景観は、サツマイモの栽培加工が盛んだった北部の「北魚目の文化的景観」と、石材業が行われてきた北東部の「崎浦の五島石集落景観」。同館は空き家を改修したもので、昭和30年代の生活様式を再現している。
 両景観は世界遺産登録に備えた保護措置として2012年選定。町によると、登録後の今年7~11月「頭ケ島の集落」の来訪者は約2万3千人で前年同時期に比べ約30%増だった。
 一方、離島地区の課題である人口減は、両景観がある地域でも進行。生活に密着している景観であるため、所管する町教委文化財課は「文化的景観は生きているもの。継続的に人を呼び込む仕組みづくりが大切」とする。特に、かんころは製造しない時期もある。来場者の関心を呼ぶため、年間を通したイベント企画なども求められる。

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国選定重要文化的景観の情報を発信する「島のふれあい館」=新上五島町友住郷

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