亡命せずにメジャー球団と契約が可能に、NPBにも影響か
MLB機構とキューバ野球連盟との間で19日(日本時間20日)、キューバ人選手が亡命せずにメジャーでプレーできる歴史的協定が締結された。MLB公式サイトのスペイン語版によると、キューバ人選手は、MLBはもちろん、MLB機構の管轄下にあるドミニカ共和国、プエルトリコ、メキシコ、ベネズエラでのプロリーグでも、自由にプレーすることができるようになる。だが、その資格を得るのは25歳以上、かつキューバ国内リーグで6年以上のプレー経験を持つ選手のみ。この条件に満たない選手がMLB管轄下のプロリーグでプレーする場合にはアマチュアドラフトを経なければならないという。
そこで、同サイトでは「MLB球団の興味を引くキューバ人選手トップ10」と題した特集記事を掲載。その中で上位3傑を占めたのは、日本でもおなじみの顔ぶれだった。
堂々の1位に輝いたのは、日本で5年プレー経験を持つソフトバンクのアルフレド・デスパイネ外野手だ。2014年から3シーズンをロッテでプレーし、2017年からソフトバンクに移籍。NPB通算5年で118本塁打、364打点、打率.264の成績を残す打者で、現在もソフトバンクには欠かせない存在となっている。寸評では「現在、キューバ野球連盟に所属する選手の中ではベストプレーヤーの呼び声が高い」と評価。NPBでの成績を紹介しながら「パワー溢れる打撃で、ソフトバンクの攻撃の要になっている」と伝えている。
2位に入ったのは、ジュリスベル・グラシアル内野手だ。今季からソフトバンクでプレーする33歳は、来季契約も大筋で合意に達しているというが、今季は54試合で打率.292、9本塁打、30打点の成績。守備は本来の内野だけではなく外野もこなし、寸評でも「多彩な選手。キューバ屈指の好打者」と評価は高い。
モイネロも高評価「キューバ野球連盟に所属する最高の左投手」
3位で登場するのは、これまたソフトバンクのリバン・モイネロ投手だ。2年目の今季は49試合に投げ、5勝1敗13ホールドの成績で、防御率こそ4.53と奮わなかったが、ブルペンから日本一に貢献した。寸評では「現在、キューバ野球連盟に所属する最高の左投手」と断言。カリビアンシリーズやWBC、パンアメリカ・ゲームスに出場した国際大会での経験とともに、日本での成績も紹介されている。
4位には、昨季ロッテでプレーしたロエル・サントス外野手が登場。サントスは現在、コロンビアリーグのバランキージャに所属している。
また、6位にはソフトバンクの育成選手、オスカー・ルイス・コラス外野手が登場。「キューバ球界屈指の有望株」である20歳は、ここでも「投手と打者と同様に優れたスペシャルな能力を持っている」と二刀流であることを紹介されている。
そして10位には、中日のライデル・マルティネス投手がランクイン。「素晴らしい速球があり、変化球の制球に優れている」と評された21歳右腕は、今季7試合に投げて1勝3敗、防御率6.65。「爆発的なデビューではなかったが、実力のほどを披露」と評価され、「現時点で注目の海外プロスペクトの1人だ」とされた。
トップ10の中に、日本球界にゆかりのある選手が6人もランクイン。メジャーとキューバの関係性の変化は、日本球界におけるキューバ人選手の事情にも大きな影響を与えそうだ。(Full-Count編集部)