19年度予算案、技術開発プロジェクトで鉄鋼・非鉄関連で4件計上 合金材料探索」は見送り

 政府は21日の閣議で2019年度予算案を決定した。経済産業省の鉄鋼・非鉄金属関連の技術開発プロジェクトでは、水素還元製鉄法の技術確立を目指すプロジェクトなど計4件の開発予算が盛り込まれた。経産省・金属課は鉄鋼・非鉄金属メーカーや大学などと共同で、各プロジェクトを推進する。

 8月末の概算要求に盛り込んだ「合金材料の探索技術開発プロジェクト」は来年度予算では見送られた。同プロジェクトは、新たな合金材料を開発する際、有効な合金組成などを短期間で探索できるデータ解析技術の確立を狙う。来年度予算案には盛り込まれなかったが、経産省は他のスキームの活用を検討する。

 19年度予算案に盛り込まれたのは(1)水素還元製鉄法を柱とする「環境調和型プロセス技術開発事業」(2)鉄やアルミなどの材料特性を高める「新構造材料の技術開発事業」(3)未利用熱エネルギーの活用技術開発事業(4)省エネ型資源循環システムのアジア展開事業―の4プロジェクト。

 予算額は環境調和型が40億円、新構造材料が33億5千万円。概算要求額からそれぞれ10億円、8億円の減額となった。未利用熱、資源循環はそれぞれ、エネルギー、資源循環に関連する他のプロジェクトの一環として推進。このうち金属課関連の事業予算は各6億3千万円、6億3500万円となる。

 環境調和型は、水素還元技術のほか高炉ガス(BFG)からのCO2回収技術の開発を目指す官民プロジェクト「COURSE50」として推進中。さらに低品位の石炭と鉄鉱石を活用する「フェロコークス」の開発も同時に目指している。

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