「落ちそうで落ちない」合格祈願お守り 城跡の岩にちなみ発売 

©株式会社京都新聞社

吉永区が12月から売り出した合格祈願などの「お守り石」(湖南市吉永)

 中世山城の三雲城をPRしようと、地元の滋賀県湖南市の吉永区が城跡内にある「八丈岩」にちなんだ受験合格祈願のお守りを売り出した。同岩は地面から浮いたように見える状態で立っていることから「落ちそうで落ちないので受験に御利益がある」として、住民らは冬に観光客が訪れるきっかけになることを期待している。

 三雲城は1487年に近江守護六角氏の重臣三雲氏が築城し、1570年に織田信長軍が攻め入るまで存続した。司馬遼太郎さんの小説では、甲賀忍者の猿飛佐助が幼少時に修行した場所として描かれる。八丈岩は城跡の北東の市街地を望める場所にあり、見張り台だったとされる。

 岩は高さと奥行きが約10メートル、幅が約3メートルだが、底面の半分ほどは地面から離れて、接地面は10~15平方メートルほどという。同区は有志や市と、2015年から「落ちそうで落ちない合格祈願の岩」としてPRに乗り出した。近くに小石を用意し、参拝者が絵馬のように願い事をしたためて岩のそばに置けるようにした。今は他にも健康や家内安全などさまざまな願いが書かれる。

 ただ、登山客でにぎわう紅葉の時季に比べて、受験シーズンの12~2月は寒さも厳しく、積極的にPRしてこなかった。区長の園部俊治さん(69)は「今後は冬場も盛り上げたい」と意気込む。

 今春閉鎖した麓の市施設「青少年自然道場」の建物の管理を任された区は5月から、三雲城の解説パネルなどを並べた休憩所として休日だけ開く。お守り石は「来てくれた記念に」と、お守り袋の製作を市内の女性グループに依頼。今月から500円で売り出した。

 園部さんは「眺望を楽しんで勉強の気分転換をしてもらい、お守りを身につけて安心して受験に臨んでほしい」と話す。

 休憩所は午前10時~午後4時。問い合わせは園部さん090(2701)8769。