静かなオフを過ごすカブス ハーパー獲得に動く可能性はあるか

同地区球団のカージナルスがポール・ゴールドシュミットとアンドリュー・ミラー、レッズがヤシエル・プイーグ、マット・ケンプ、アレックス・ウッド、タナー・ロアークらを獲得するなか、比較的静かなオフシーズンを過ごしているカブス。ここまでの目立った補強は、控え内野手のダニエル・デズカルソを獲得したことくらいである。そんなカブスがフリーエージェント市場の大物選手、ブライス・ハーパーの獲得に動く可能性はあるのだろうか。地元紙の記者たちが分析している。

オフシーズンの終了まではまだ時間があり、カブスのセオ・エプスタイン野球部門社長には多くの時間が残されている。つまり、カブスはまだハーパーら大物選手を獲得して大幅な戦力アップを図ることも可能なのである。

シカゴ・サン・タイムズのゴードン・ウィッテンマイアーは、ラスベガスで行われたウィンター・ミーティングの際に、カブスがハーパーと代理人のスコット・ボラスと面会していたことを報じ、カブスがハーパー獲得に動く可能性があることを示唆。ボラスの手法として、有力FA選手の契約交渉を年明けまで持ち越すことが多いことを指摘し、エプスタインが現有戦力の整理を行ってポジション面や資金面でハーパー獲得の準備を整える可能性があることを伝えている。

しかし、メッツでGM経験のあるスティーブ・フィリップスは、カブスのハーパー獲得に否定的だ。フィリップスによると、カブスがハーパー獲得の資金を用意するためには、ダルビッシュ有、ホゼ・キンターナ、ジェイソン・ヘイワード、ベン・ゾブリストといった主力選手を放出することが不可欠。しかし、健康面に不安を抱えるダルビッシュや、金額に見合った活躍ができていないヘイワードの引き取り手を探すのは難しく、キンターナやゾブリストはチームの戦力構成上、安易に放出するわけにはいかない。だからといって、「フロントが3000万ドルを超えるであろうハーパーの年俸を簡単に用意するわけにもいかないだろう」とフィリップスは分析。カブスがハーパーを獲得するのは難しい、との結論に至っている。

ライバル球団が着々と戦力補強を進めるなか、強豪・カブスを率いるエプスタインはどのような手を打っていくのか。まだ十分に時間は残されており、エプスタインの手腕には大きな期待が寄せられている。

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