古河電工、電動車の駆動用巻線をマレーシアでも生産

 古河電工はマレーシアの工場で電動車用巻線の製造を始める。駆動モータで電流を動力に変えるためのもので同社の注力製品。現在は国内と欧州に製造拠点を有するが新たに東南アジアでも生産する。2019年度内にはサンプル品を供給したい考え。東南アジア圏の日系顧客を中心に受注を目指す。

 同社が電動車の駆動用モータ向けに製造する巻線は無酸素銅線を平角状にした導体を中心的に使用し、そこにエナメルとエンプラ樹脂を二重被膜して製造。独自構造で高圧電流や熱への耐久性に加え、電気を一定方向に流すための絶縁被膜の伸びなどを向上させている。今後の需要拡大を見込んで三重事業所で増産を進めているが、マレーシアでも新たに製造することでより幅広い立地から顧客に供給できる体制を整備する。

 欧州では米電線大手のスーペリアル・エセックスグループとの合弁でドイツに「エセックス・フルカワ・マグネットワイヤ・ヨーロッパ」を設立しており、欧州車への供給を目指している。欧州ではすでに受注を獲得しており、来年度には商業出荷を目指したい考え。マレーシアでの生産が始まれば日・欧・東南アジアの3極から駆動モータ用巻線を供給する体制が整う。

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