海自艦で3等海尉パワハラ自殺か 乗組員ら指摘 横須賀

 海上自衛隊横須賀基地(神奈川県横須賀市)の補給艦「ときわ」で9月、乗組員の男性3等海尉(32)が自殺し、ほかの乗組員へのアンケートで艦長らによるパワハラが指摘されていることが25日、分かった。海自は事故調査委員会を設置し、パワハラの有無や自殺との因果関係を調べている。海自ではこれまでもいじめによる隊員の自殺事案があり、徹底した調査を求める声が上がる。

 関係者によると、3等海尉は9月10日に艦内で自殺。遺書などは見つかっていないが、艦長の男性2等海佐らによるパワハラを指摘する通報が服務室にあった。

 これを受け、乗組員約140人を対象にアンケートを実施したところ、▽艦長が3等海尉に「休むな」と指示した▽上官が「死ね」「消えろ」などと発言して自殺前夜にバインダーを投げつけた-などの回答が寄せられた。

 海自は今月18日、護衛艦隊司令部(同市)に事故調査委員会を設置。事実関係を調べており、艦長は厳しい指導があったことは認めているという。海自は近く艦長を交代させる予定。

 岩屋毅防衛相は25日の会見で、「前途ある隊員を志半ばで失ったことは誠に残念。調査結果を踏まえ、適切に措置を講じる」と述べた。

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