ランフェスなど5イベント 補助金廃止方針 長崎県

 長崎県が、県内有数の集客力を誇る「長崎ランタンフェスティバル」や「YOSAKOIさせぼ祭り」など長崎、佐世保両市の五つのイベントに交付してきた補助金について、2019年度限りで廃止する方針であることが25日、分かった。イベント関係者や両市は「非常に残念」と落胆し、「別の形で補助を」と求める声が相次いでいる。
 ほかに補助金を廃止する方針なのは、長崎帆船まつり▽長崎ペーロン選手権大会▽きらきらフェスティバル。背景には県財政の厳しさがあり、県観光振興課は「大きく成長したイベントなので補助金なしで運営する手だてを検討してほしい」としている。
 同課によると、県は2000年度に「県21世紀まちづくり推進総合補助金」を創設して以降、両市を通じて毎年、5イベントの運営費を補助。14年度は計約3200万円を補助したが、本年度は約1200万円にとどまり、来年度は600万円に縮小する見込み。県は今年2月、来年度限りで補助金を廃止すると両市に通知していた。
 長崎の冬の風物詩「長崎ランタンフェスティバル」は14年度に1千万円の補助を受けていた。運営に長年貢献してきた林敏幸さんは「商店が飾り付けられなくなる事態になったら困る。ただ、補助金がないならないなりにやっていくしかない」。張仁春実行委企画幹事長は「補助金廃止には違和感がある。県は別の形でサポートしてほしい」と望んだ。
 長崎帆船まつり実行委の塩脇傳英(でんえ)実行委員長は「補助打ち切りは大きな痛手。盛り上がりを絶やさないように頑張るしかない」と落胆していた。
 県は廃止した補助金を観光閑散期の対策に回し、県内観光の底上げにつなげたい考えだ。長崎市観光推進課は「県は新たな補助金を創出してほしい」と要望。佐世保市観光課は「補助金継続を求めていただけに残念」とコメントした。

2018年2月に開催された長崎ランタンフェスティバル=長崎市新地町、湊公園

© 株式会社長崎新聞社