[ハワイ ドローン観光案内]Vol.38 産業用高性能ドローン「MAVIC 2 ENTERPRISE」がすごい!

ドローンの本命は救助にあり!産業用高性能ドローン「MAVIC 2 ENTERPRISE」

アロハ!クリエイティブ・ディレクター長澤宏樹です。あっという間に年末ですね~。いやぁ、毎年この時期に思うことではありますが、今年は、実に“アッ!”という間の1年でした。早い…早すぎる…(汗)。

今年はマイクロドローンに挑戦したり、ドローンを使った波情報配信を配信したり、の1年でしたが、その締めくくりの話題として今回お届けするのは、DJIがこの10月に発表した新製品、産業用高性能ドローン「MAVIC 2 ENTERPRISE」がすごい!というお話。

先日行われた製品発表会に行ってきましたので、その模様とともに、このドローンがどうすごいのかをたっぷりお届けしようと思います!

当日のvlogでの模様はこちらから。

■DJI産業用ドローンMAVIC2 ENTERPRISEがスゴイ‼ vlog21

産業用高性能ドローンで何ができる?

今まで産業用ドローンといえば、とにかくごっつい機体で、価格もとんでもなく高価、そんなイメージがありましたが、「MAVIC 2 ENTERPRISE」はパッと見、他のMAVIC2シリーズと変わらない。

じゃぁ、どこがどう産業用なのか?

「エンタープライズ向けドローンの中で、最もコンパクトで最もパワフルなドローン」というコピーで発表された「MAVIC 2 ENTERPRISE」ですが、このドローン、何が産業用なのか、って、実は“防災”という業務に特化したいわば“防災ドローン”なのです。

消化活動、行方不明者の捜索、送電線などの重要なインフラの保守作業などなど。警察や消防などへの導入を想定したドローンというわけですね。そうなると、緊急事態に迅速に対応するためにまず重要になってくるのが、高い携帯性。折りたためる「MAVIC 2 ENTERPRISE」はまさに高い携帯性を持った、“最もコンパクトな”産業用ドローンなわけです。

うむ、それはわかる。じゃぁ、“最もパワフル”というのは、どうパワフルなんだ? ということで、産業用に開発された機能を順番にご紹介していきましょう~。

(1)1200万画素のパワフルなカメラシステム

デジタルズームが従来の2倍から3倍になり、近づけない危険箇所から離れたところから安全を確保しつつ、重要な情報を収集できます。

(2)GPSタイムスタンプ機能

時刻や位置情報を、映像データそのものに記録することが可能。信用できるデータとして裁判などで証拠としても使用できる。

(3)業務用のモジュラーアクセサリー

ドローンに追加のデバイスを装着して使用するモジュラーアクセサリーが3種類。

スポットライト
実際に製品発表会会場でデモしてくれたのですが、明るかった!飛行中は最大2,400ルーメンの明るさが保持されるのですが、災害現場で使われる業務用懐中電灯が1,000ルーメンということなので、その倍以上。暗い場所での作業のサポートや遭難者に光を届けたり、と、グンと可能性が広がるのが容易に想像できます。

スピーカー
事前に録音した10パターンのデータを機体に保存することができ、飛行中にそれを流すことで探索をサポートするというもの。「あなたは○○さんですか?○○さんなら手を振ってください!」というような感じ。これも会場でデモされましたが、100デシベルという音量は救急車のサイレンとほぼ一緒とのことで、確かに大きな音でした。その鮮明さにも驚かされました

衝突防止ビーコン
飛行機に搭載されているような眩しい光を出すビーコンをつけることで、最大5km先からでも目視可能とのこと。アメリカの夜間飛行免除基準も満たしている明るさだそうです。

この3つのアクセサリー、すべて手元のリモコンで操作可能です。ただ、機体の上部に“カチャッ”と取り付けるのですが、その感じがどうもアナログっぽくて(笑)、機体の中にデフォルトでバンドルできないものか、と思ったりもしました。あとはこの3つが同時に使えないのが最大のネックかなぁー、と。

全部同時に使いたいシチュエーションってたくさんあるような気がするんですよね。このあたりはまた今後の改良に期待!ということで。

(4)24GB内蔵データストレージ

民生用のドローンは、SDカードに映像データは記録されますが、「MAVIC 2 ENTERPRISE」では24GBのストレージが内蔵されています。緊急時に「あれ、SDカード入れたっけ?」みたいなことになったら大変ですからね。これは確かに必要だ。というか、これ民生用にもつけてほしい(笑)。

ちなみに、万が一墜落して第三者に回収された時の情報保護の観点から、パスワード保護機能も搭載されています。

(5)自己発熱型バッテリー

-10度から正常に発動できる自己発熱型バッテリーを搭載。氷点下などの厳しい環境でも電源が落ちてしまったりすることもないのだそうです。

アプリの充実っぷりもすごい!

ここまでは、「MAVIC 2 ENTERPRISE」本体の機能をざざっとご紹介しましたが、アプリの充実っぷりもなかなかすごいな、と思ったので、すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、ご紹介~。

DJI PILOTアプリ
産業用ドローンに対応した最新の飛行制御アプリ。今までベータ版はあったそうですが、公式にリリースされました。

  • アプリ上で精度の高い飛行ルートの計画ができる。
  • 付近の有人飛行機やヘリなどの情報を受信することができる。
  • DJI FLIGHT HUBとの連携で複数期待のライブ映像をチェックできる。
  • インターネット環境をシャットアウトできるローカルデータモードが新しく搭載され、行政機関内などのナイーブな環境下でも安全に飛行できる。

などなど、産業用途の飛行に必要な機能が搭載されています。

  • FLIGHT SIMULATOR
    これは実際に会場で体験させてもらったのですが、まぁよくできていました。

海や山岳部など、入り組んだ飛行環境が画面上で再現されていて、実際にドローンを飛ばしている感覚で訓練できるんです。風速などの調整もでき、厳しい天候の中での現場を想定した高度なトレーニングもできます。DJIのweb上で無償トライアルできるんだそうですよ。知らなかったな~。

あ、あとそうそう。個人的に一番ささったのが、このケース。笑

これまではドローンユーザーが自分なりに使いやすい形で手つくりしたりする人が多かったそうなんですが(実は筆者もそのひとり)、今回はぴったりきれーいに収まる専用ケースがついてくるんです!これいいよね~。笑

防災ドローンこそ、本命だ!

ということで、ここまで産業用高機能ドローン「MAVIC 2 ENTERPRISE」のご紹介をザザッとしてきたわけですが。筆者としての総合的な感想としては「やっと本命が出てきた!」という感じ。

“防災”というテーマは、やはりドローンの最終的な着地点じゃないか、と個人的には思っているんですよね。実際にDJIが発表したデータによると、2017年には、ドローンにより65人の命が救われ、2018年6月には累計133人の命が世界で救われたのことです。

奇しくも今年の漢字が「災」に決まりましたが、この災害が多い日本にあって、ドローンを使わない手はない、とかねがねから思っているわけでして。

実は1年半くらい前、ハワイから日本に帰国した頃、筆者の住んでいる茅ケ崎市役所の防災対策課に災害時のドローン活用の現状を聞きに行ったことがあるんです。その頃の担当者の方のお話では、「使えばきっと役に立つのだろうということは誰もがわかっているのだが、操縦者の訓練や機体導入の予算、その後の運用などなどを考えるとなかなか踏み切れていない」とのことでした。

きっと、どこの自治体も同じような現状をいまだに抱えているのではないかと。

今回の「MAVIC 2 ENTERPRISE」の発表会では、一般社団法人日本ドローン無線協会代表理事の酒井氏が「行政や企業へのドローン導入への課題」についてお話をされたのですが、「とにかく導入するのに時間がかかりすぎている。この現状を打破するためには、軽く検討した上での仮導入、仮運用を経て、本格運用に向けて動くことが重要」と言われていて、まさにそうだな、と。

そういう意味でも、比較的安価で、飛行安全性が高く、比較的操縦しやすい「MAVIC 2 ENTERPRISE」が発表されたことはかなり大きな意味があるのではないかと、かなり期待しています。

はい、という感じで。2018年、平成最後のコラムは、ちょっとかなり真面目に語りましたが(笑)、筆者も来年もまた、いろいろなことにチャレンジしつつ、少しずつでも進化していけたらいいな、と。

がんばるぞー!おー!では、みなさん良いお年を~!また来年お会いしましょう~!マハロ!

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■これまた昨年の秋にドローン撮影でちょこっと参加させて頂きましたアマゾンプライムビデオ「しろときいろ ~ハワイと私のパンケーキ物語~」の配信がスタートしました。毎日15分配信、全25話です。

■本編に登場するHIROKI NAGASAWA VLOGはこちらから。定期的に更新していますので、ぜひチャンネル登録をお願いします。

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