5月導入「若者つながるネット」  高校中退者への支援28人

 若者の就労支援などに取り組む一般社団法人「若者自立支援長崎ネットワーク」(浜民夫会長)は25日、今年5月から導入した高校中退者と支援窓口をつなげる仕組みによって中退者28人に対する支援を実施し、半数の14人が就労(アルバイトを含む)したと発表した。
 導入した仕組みは「長崎若者つながるネット」と呼ばれ、中退者本人や保護者の同意があれば高校から県などを通じ、同法人に中退者の個人情報が届く。その後法人が本人や保護者と連絡を取り、法人が運営する窓口「長崎若者サポートステーション」(長崎サポステ、長崎市大黒町)などでの支援につなげるという。
 5月から12月までに支援した中退者28人の内訳は▽15歳4人▽16歳9人▽17歳11人▽18歳3人▽20歳1人-。職場体験などを通じ、14人が就労した。このほか就労以外の選択として「進学予定でアルバイト中」3人、「進学を目指し勉強中」3人、「別の高校に進学」1人など。
 この日、県庁で会見した同法人は「5月までは中退者と接触することが難しく、長崎サポステ開設(2006年)から数人しか支援できなかった」とし、「この仕組みをもっと活用してほしい」と呼び掛けた。
 文部科学省の調査(16年度)によると、県内の高校中退者数は562人(中退率1・4%)。中退理由は▽進路変更52%▽学校生活・学業不適応25%▽問題行動等6%-などとなっている。

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