(6)陸自水陸機動団発足 訓練、地元調整「不十分」

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 10月中旬、鹿児島県種子島の沖合。闇の中に海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」が浮かぶ。そこから出た複数の“影”。海岸に近づくにつれ、姿が鮮明になっていく。偵察用ボートに乗った陸上自衛隊水陸機動団の隊員。次々と上陸した隊員は、ボートを砂浜に引き揚げ、“敵”に占拠された旧種子島空港を奪回するため力強く歩を進めた。
 国内の演習場以外で初めて開かれた日米共同訓練「ブルークロマイト」の一幕。3月に陸自相浦駐屯地(佐世保市)に発足した機動団や、米海兵隊の隊員ら約230人が共同対処能力の向上を図った。機動団は離島防衛を主任務とし、「日本版海兵隊」とも呼ばれる。発足以来、国内の演習場や海外での訓練に臨み、練度を高めている。
 装備でも大きな動きがあった。機動団と一体運用される陸自オスプレイの佐賀空港(佐賀市)の配備計画で佐賀県知事が8月、正式に受け入れを表明。今後、反対する地元漁協との協議が本格化する。
 当初計画から遅れていた崎辺分屯地(仮称)の整備も進む。年内には隊庁舎などが完成。1月から内部の設備工事や備品搬入が始まり、年度内に開設する。機動団によると、相浦駐屯地に暫定配備されている戦闘上陸大隊が移り、少なくとも水陸両用車約20両を配備。陸上走行訓練が始まる予定だ。
 しかし、この分屯地での訓練を巡り、地元調整が不十分だと指摘する声がある。18日の市議会基地対策特別委員会。市側が訓練内容の説明会が開かれていないことを明かすと、委員から「地元にしっかり説明しないと、大きな問題に発展する」と厳しい意見が出た。
 これについて機動団は「訓練内容はまだ検討中」。九州防衛局は「(説明会は)必要に応じて関係自治体と調整の上、検討したい」とする。崎辺地区自治協議会の前会長、西川信一さん(82)は「どれほどの騒音があるのか不安がある。どういう訓練が、どの程度あるのか、事前に説明してほしい」と求めている。

偵察用ボートで海岸に上陸する水陸機動団の隊員=10月、鹿児島県種子島