【全日本選手権リポート①】宇野昌磨選手が大会3連覇を達成! 囲み取材の模様をたっぷりと!

【全日本選手権リポート①】宇野昌磨選手が大会3連覇を達成! 囲み取材の模様をたっぷりと!

12月20日から大阪・東和薬品RACTABドームで「全日本選手権2018」が開催され、男子シングルはショート、フリーともにトップの宇野昌磨選手が、合計289.10点で大会3連覇を達成しました。宇野選手は、22日に行われたショートの直前に右足首を捻挫。一時は出場も危ぶまれる状況でしたが、気迫の演技で金メダルに輝きました。

今回は、フリーの直後に行われた囲み取材の模様をたっぷりとお伝えします。

── 右足のけがについて、経緯を教えてください。

宇野「陸上のウォームアップの時に足を強くひねって、(公式練習の)15分前だったのでそのまま(スケート)靴を履きました。意外とその時は(ジャンプも)できたのですが、時間が経ってホテルに着いた頃には、歩くのも痛くて…。ショートを滑れたことが、今でも驚きです(苦笑)。(フリーまで)中1日あいたので、病院に行き、MRIを撮りました。捻挫という診断を受け、無理をしたら長引くかもしれないけれど、選手生命にかかわるけがではないという(医師の)言葉もあったので、フリーに出場することを決めました。そして、トレーナーさんや、心配してくれた皆さんのおかげで、こうしてフリーを最後まで滑りきることができました」

── 現在はどんな状態でしょうか?

宇野「今は全く痛みはなく、普通に歩けます。靴さえ履かなければ問題ありません。スケート靴を履くと一番痛いところに強く当たるので、靴を履いていることが一番つらかったです。僕のわがままで(試合に)出させていただいたので、少しでも長引かないように、表彰式は運動靴で出ました」

── 強行出場に関して、樋口美穂子コーチを「これが僕の生き方です」と言って説得したと伺いました。どういう思いなのか詳しく教えてください。

宇野「簡単に言うとプライドというか、歩けるなら試合に出たいという気持ちでした。『宇野昌磨という選手の生き方は、こうなんです』と言いました。ショートの時よりも明らかに足の状態が良くなっていたので、フリーの公式練習の時にジャンプを跳ぶ予定でしたが、数週(リンクを)回って、『これはできない』と思って…。ただ、棄権するという気持ちも湧いてこず、やはり僕は試合に出たいと思ったので、痛みがありながらもジャンプを跳び始めました。試合の時は集中していたからか、あまり痛みはありませんでした」

── ショートで右足首への負担が少ないサルコウジャンプではなく、フリップジャンプを跳んだのはなぜですか?

宇野「回転不足で転ぶのが一番足に負担がかかると思ったので…。(樋口コーチからは)トリプルサルコウにしなさいと言われていましたが、6分間練習で『先生ごめんなさい』と言いました。無理することはよくないけれど、ショートが終わった時にこれまでにない達成感がありました。僕的にはオリンピック以上にうれしいショートでした。無理したことで何を得られたかは分かりませんが、全く後悔していません」

── ショートからフリーまでのどんな思いで過ごされていたのでしょうか?

宇野「僕はなぜか回復がめちゃめちゃ早いので、フリーまでに気合で治せるんじゃないかな、というよく分からない自信を持っていました(笑)。世界選手権の時も同じでしたし、『自分が治ると思い続けたら、治るでしょ』という気持ちでした」

── 今大会は、清々しい表情をしているように見えました。

宇野「けがをしたという悲しい気持ちやつらい気持ちを周りに出しても誰も得をしないので、笑っていようと。笑顔になることで、気持ちの面でも『これはやるしかない』と思えました。そこで初めて、“自分を信じる”、そしてプレッシャーや期待に応えなければいけないという気持ちが、全て集中力へと変わりました」

── 勝因は何でしょうか?

宇野「今季は、“自分を信じる”というテーマですが、その“信じる”ということが、これまでなかなかできずに悩んでいました。でも、けがをしたことで、“自分を信じるしかない”という状況に追い込まれて、この試合で初めて自分を信じて演技できました。ある意味では、けがをしたことにも感謝しています。よい経験ができました」

── 困難な状況の中で達成した3連覇です。今のお気持ちをお聞かせください。

宇野「やりきった。そして、本当に皆さんに迷惑をかけました。申し訳ありませんでした。僕の気持ちを尊重してくれて、ありがとうございます。(困難な状況で達成したことは)淡々と成し遂げたものよりもうれしいと思うから、僕はどんな状況でも試合に出たいと思ってしまうのかもしれません」

’19年3月にさいたまスーパーアリーナで行われる、「世界選手権2019」への出場が決まった宇野選手。大会終了後に行われた代表選手記者会見で宇野選手は、「世界選手権に限らず2位という結果が続いている。より良い順位、1位になるために、まず自分を信じて、そして良い結果が出せるように頑張りたいです」と意気込みを語りました。

宇野選手は’19年2月に米カリフォルニア州アナハイムで行われる「四大陸選手権2019」の代表にも選出されています。更なる高みを目指す宇野選手を、全力で応援しましょう!

<放送情報>


【ISU四大陸フィギュアスケート選手権2019】
◆2月12日(火) J SPORTS 4 午後2:00~4:30(ペアショート)
◆2月12日(火) J SPORTS 4 午後4:30~7:00(アイスダンスリズム)
◆2月13日(水) J SPORTS 4 午後2:00~4:30(ペアフリー)
◆2月13日(水) J SPORTS 4 午後4:30~7:30(アイスダンスフリー)
◆2月14日(木) J SPORTS 4 午後2:00~6:00(女子ショート)
◆2月15日(金) J SPORTS 4 午後2:00~7:00(男子ショート)
◆2月16日(土) J SPORTS 4 午後2:00~6:00(女子フリー)
◆2月17日(日) J SPORTS 4 午後2:00~6:00(男子フリー)
◆2月17日(日) J SPORTS 4 午後6:00~9:00(エキシビション)

<雑誌情報>


「TVガイド特別編集 KISS&CRY 氷上の美しき勇者たち U-20スペシャル号」
(表紙・巻頭特集/宇野昌磨選手)
(KISS&CRYシリーズ Vol.23)
発売中
定価:1,200円(税別)

「KISS&CRY」とは?


「KISS&CRY」シリーズは、日本のフィギュアスケーターの皆さんをフィーチャーし、その「戦う」姿、「演じる」姿を合計50ページ超のグラビアでお届けしています。つま先から指先・その表情まで、彼らの魅力を存分に伝えます。また、関連番組テレビオンエアスケジュールも掲載。テレビの前で、そして現地で応援するフィギュアスケートファン必携のビジュアルブックです。
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