キテます!eスポーツ 県立大佐世保校に同好会発足

 コンピューターゲームでの対戦をスポーツと捉える「eスポーツ」。近年の世界的な流行を受け、国内では今年2月、日本eスポーツ連合(東京)が発足。世界規模の大会も開かれるようになり、注目されている。長崎県でも県立大佐世保校に学生らでつくる同好会が発足。また、福岡市内でこのほど開かれたスマホゲーム「モンスターストライク」のプロツアー大会では、社会人の長崎県チームが初優勝の快挙を果たした。「ゲームを通じて交流の輪を広げたい」「プロとして日本一になりたい」-。ゲーマーたちが熱い思いを抱く中、実際に広がりを見せている長崎県eスポーツの今を取材した。

 「もっとタイミングよくジャンプしないと攻撃をかわせないよ」。コントローラーを握り締める女子学生に周囲の学生からアドバイスの声が飛ぶ。長崎県立大佐世保校の学生向け施設「サークルボックス」の一室で、コンピューターゲームの画面に見入るのは同校eスポーツ同好会(安藤直人部長・25人)のメンバー。この日の活動は対戦型アクションゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズ」(略称スマブラ)の必勝法の研究だ。

 同会は4月発足。田中幸希(こうき)副部長(22)が知り合いの熊本県のプロゲーマーから、eスポーツのことを聞いたのがきっかけ。対戦型ゲームを一緒にやる仲間を集めようと安藤部長(22)と2人で、ゲームに興味がありそうな学生らに声を掛け、同好会を立ち上げた。メンバーは1~4年生で、ほとんどが男子学生だ。

 活動時間などは定めていないが、部室には授業を終えると自然に集まってくる。それぞれがゲーム機やゲームソフトを持ち寄り、対戦したり攻略法を話し合ったりして和気あいあいと過ごす。「学業が本分なので、プロゲーマーを目指しているわけではない。ゲームを通じて交流の輪を広げるのが目的」と田中副部長。

 eスポーツの魅力とは何か-。唯一の女子メンバー、日下部美衣子さん(21)は「リアルなスポーツでは身体能力的に男性にかなわないが、ゲームであればサッカーや野球でも同等に戦える」と笑顔で答えた。

 安藤部長は「eスポーツは、まだ学生にも認知度が低い。今後はいろんな大会に出場して、同好会の存在感をアピールし、長崎県のeスポーツ普及に貢献したい」と抱負を語った。

和気あいあいとゲームの攻略法を研究するeスポーツ同好会のメンバー=佐世保市川下町、長崎県立大佐世保校

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