燕は2010年に“外れ外れ1位”で山田哲入団 近年の球団別“ベスト&ワースト”ドラフトは?

ヤクルト・山田哲人【写真:荒川祐史】

“外れ外れ1位”の山田哲は3度のトリプルスリー、球界を代表する打者に

 残りあとわずかとなった2018年。今季のプロ野球界は西武が10年ぶりにパ・リーグを制し、広島は3年連続でセ・リーグの頂点に立った。そして、日本一に輝いたのは、パ・リーグ2位からCS、日本Sと勝ち上がったソフトバンク。2年連続で栄冠を手にし、シーズンは幕を閉じた。

 オフに入り、各球団は来季の戦力編成に着手。ドラフトで指名された期待のルーキーたちの入団も正式に決まり、お披露目の場となる新入団選手発表も続々と行われた。今秋のドラフトでは中日に入団した根尾昂内野手やロッテの藤原恭大外野手、広島の小園海斗内野手、日本ハムの吉田輝星投手、西武の松本航投手、ソフトバンクの甲斐野央投手らが注目を集めた。今後、彼らがどういった活躍を見せるかは、新たな時代となる来季の注目である。

 とはいえ、その年々のドラフトの成果は、指名から5年、10年とある程度の期間が経ってみないと、実際のところは分からないもの。そこで各球団のドラフトを遡り、指名から4年が経った2014年から10年前の2008年の間の“ベスト”と“ワースト”ドラフトを独自で選出した。

 今季セ・リーグで2位に入ったヤクルトの“ベスト”は2010年だろうか。

 何と言ってもドラフト1位で加入したのが今季、史上初となる3度目のトリプルスリーを達成した山田哲人内野手。斎藤佑樹、塩見貴洋を相次いで抽選で外した末の“外れ外れ”1位であったことが、今となっては驚き。プロ入りして8年が経過し、球界を代表する打者へと成長した。3位の西田も控え捕手としてチームを支え、今季で戦力外となった久古も左キラーとして228試合の登板実績を誇る。
 
 2012年のドラフトも1位で石山泰稚投手、2位で小川泰弘投手が入団し、6位では今オフに日本ハムにトレードとなった谷内亮太内野手も加入している。大きな成果を上げているドラフトとなっているが、山田という球界でも屈指の強打者が加入したということで2010年を“ベスト”とした。

2014年は8選手のうち6選手が3年以内に戦力外

 一方で“ワースト”は2014年か。安楽を競合で外し、1位で竹下を指名したが、わずか3年後の2017年で戦力外に。2位の風張は今季53試合に登板して結果を残したものの、育成含めて指名された8選手のうち6選手が3年以内に戦力外となっており、厳しい結果となっている。

 ドラフト1位で川上竜平外野手、2位で木谷良平投手が入団した2011年は、指名から7年が経過し、支配下6選手と育成2選手の全8選手が戦力外に。通算361試合に出場した比屋根渉外野手も今季でチームを去った。こちらも成果としては厳しいものになったと言えるだろう。
  
“ベスト”ドラフト
【2010】
× 斎藤佑樹投手
× 塩見貴洋投手
1 山田哲人内野手
2018:140試合524打数165安打34本塁打89打点 .315
通算:822試合3078打数927安打167本塁打485打点 .301
2 七條祐樹投手(2015戦力外)
通算:56試合8勝5敗1セーブ2ホールド 4.28
3 西田明央捕手
2018:4試合7打数1安打0本塁打0打点 .143
通算:141試合364打数76安打10本塁打38打点 .209
4 又野知弥外野手(2014戦力外)
通算:1軍出場なし
5 久古健太郎投手(2018戦力外)
2018:1軍出場なし
通算:228試合8勝6敗2セーブ49ホールド 4.20
6 川崎成晃外野手(2015戦力外)
通算:38試合36打数7安打0本塁打1打点 .194
育1 北野洸貴(2012戦力外)
通算:1軍出場なし
育2 上野啓輔(2012戦力外)
通算:1軍出場なし
育3 佐藤貴規(2014戦力外)
通算:1軍出場なし

“ワースト”ドラフト
【2014】
× 安楽智大投手
1 竹下真吾投手(2017戦力外)
通算:1試合0勝0敗0セーブ0ホールド 13.50
2 風張蓮投手
2018:53試合2勝4敗0セーブ4ホールド 4.37
通算:63試合2勝4敗0セーブ4ホールド 5.00
3 山川晃司
2018:1軍出場なし
通算:1軍出場なし
4 寺田哲也投手(2016戦力外)
通算:3試合0勝1敗0セーブ1ホールド 10.80
5 中元勇作(2016戦力外)
通算:1軍登板なし
6 土肥寛昌(2017戦力外)
通算:8試合0勝0敗0セーブ0ホールド 6.10
7 原泉(2017戦力外)
通算:1軍出場なし
育1 中島彰吾(2017戦力外)
通算:5試合0勝0敗0セーブ0ホールド 10.57(Full-Count編集部)

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