全日本実業団駅伝 MHPS 初制覇へ 仕上がり上々 来月1日

 第63回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)は来年1月1日、前橋市の群馬県庁前を発着点とする7区間100キロのコースで行われる。全国6地区の予選を突破した37チームがエントリー。10年連続23度目の上州路に挑む長崎県のMHPSは3年連続入賞、そして悲願の初優勝を目指せるチームに仕上げてきた。
 初入賞した2017年は4位、18年は8位。今季はメンバーの多くがトラックで自己記録を更新しており、全国的に注目されるチームに成長した。黒木監督も「けががなく、頼もしい若手も出てきた。攻めのオーダーが組めそう」と納得のチーム状態で本番を迎える。
 8月のジャカルタ・アジア大会マラソンを制した井上は、11月に1万メートル27分台までタイムを縮めるなど上り調子。最長区間の4区(22・4キロ)起用が濃厚なエースは「どの位置でもらってもベストの走りをするだけ」と区間賞を取りにいく。
 井上に加えて、3月のアジアクロスカントリー選手権で日の丸をつけた目良、スピードランナー的野の3人がチームの柱。11月の九州実業団毎日駅伝を欠場したケニア出身のオムワンバのメンバー入りもプラス材料だ。
 さらに大きいのが、2014年仁川アジア大会マラソン銀メダリスト、松村の復帰。故障で前回のニューイヤー駅伝を最後に実戦から離れていたが、11月に「練習の一環」でフルマラソンを完走するなど、調子を取り戻しつつある。チーム最年長の32歳は「入部から9年はすべて走ってきた。今年も本番に間に合わせたい」と静かに燃える。
 旭化成、富士通、トヨタ自動車など強敵は多いが、4区までに上位争いに加わり、強風が吹く5区以降で大崩れしなければチャンスはある。主将の木滑は「入賞は最低条件。狙っているのはあくまで優勝で、それを言葉だけでなく行動で示せるメンバーがそろった」と自信をにじませる。

 監 督    黒木  純
 ヘッドコーチ 堤  忠之
       (◎印は主将)
  選 手  年齢  出身校 
 松村 康平 32 山梨学院大
 岩田 勇治 31 福岡工高
 佐藤  歩 30 大 東 大
◎木滑  良 27 瓊 浦 高
 定方 俊樹 26 東 洋 大
 目良 隼人 26 川 棚 高
 的野 遼大 26 順   大
 井上 大仁 25 山梨学院大
 浦野  輝 24 川 棚 高
 吉田 裕晟 23 専   大
 エノック・ 25 山梨学院大
 オムワンバ 

本番に向けて調整するMHPS。3年連続入賞と初優勝が懸かる=長崎市総合運動公園

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