ゴッホが敬愛した穏やかな作風 ドービニー展、ひろしま美術館で1月3日から

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 シャルル・フランソワ・ドービニー(1817~78年)は、フランスの風景画家。船で旅しながらフランスの川辺の風景を数多く描き、印象派の先駆者と呼ばれた。ひろしま美術館(広島市中区)所蔵のゴッホの名作「ドービニーの庭」に描かれた邸宅と庭の主としても知られる。

 そのドービニーの作品を通覧する「シャルル=フランソワ・ドービニー展~ゴッホが愛した風景画家」が1月3日、ひろしま美術館で始まる。同じバルビゾン派のコローらの優品を交え、約90点を展覧する。

 ドービニーは、パリ郊外のフォンテーヌブローの森にあるバルビゾン村で制作し、コローらと親交を結んだ。戸外での制作を重視し、とりわけ絵筆を向けたのが河川風景だった。1857年、アトリエにも寝場所にもなる船を手に入れると、セーヌ川やオワーズ川を旅して回った。冬場に制作拠点のパリや近郊のオーベル・シュル・オワーズへ戻っては、絵を仕上げた。このオーベルの地でゴッホが晩年に手掛けたのが、「ドービニーの庭」だった。

 「ヴォー島、オワーズ川の分流地点」は、川面の視点から穏やかな光景が広がる。雲を透過し、水面に映る光の表現に目を奪われる。実際に乗った船を描いた「ボッタン号」も、優れた筆のタッチで周囲の自然の空気感を伝える。戸外で創作する姿勢や絵画技法は、ピサロやモネたち印象派の画家に大きな影響を与えた。ゴッホが敬愛したという作風は見応えがある。

 3月24日まで、会期中無休。中国新聞社などの主催。

◆開館時間 午前9時から午後5時まで(金曜は午後7時まで)。入館は閉館の30分前まで
◆入館料 一般1300円(前売りまたは20人以上の団体は1100円)、高校・大学生千円(同800円)、小・中学生600円(同400円)。65歳以上は1100円。障害者手帳を持つ人は本人と同伴者1人が無料
◆3館の相互割引 広島県立美術館(広島市中区)、または市現代美術館(南区)で同時期に開催中の特別展チケット(半券可)を提示すると当日券100円引き。両館の特別展で本展のチケットを提示した場合も同様
◆ひろしま美術館=電話082(223)2530

【ミュージアム・トーク】1月12日、2月9日、3月9日のいずれも午前11時、本館ホール。学芸員が作品解説する。当日有効の入館券が必要