超新人!Jリーグ1年目で主力となった5名の逸材

大物外国人の参戦で大きな話題となった今年のJリーグ。

一方で「ベストヤングプレーヤー賞」の候補にはクラブで主力として活躍している選手の名前がずらりと並び、選定が難しくなるほど若手が豊作の年でもあった。

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そこで今回は、ルーキーイヤーの今シーズンいきなりチームの主力に躍り出た選手を取り上げてみよう。

橋岡大樹(浦和レッズ)

今季の浦和は途中、堀孝史氏の解任に伴い大槻ヘッドコーチが暫定として指揮をとったが、彼はかつての教え子である橋岡をリーグ戦で先発デビューさせた。

新人の登用も話題となったが、さらに驚かされたのがそのポジション。橋岡はユースではセンターバックでプレーをしていたが、トップチームではウイングバックで起用されたのだ。

慣れないポジションということもあり、攻撃面では当然物足りなさを感じるが、守備面は安定感があり、フィジカル負けをすることもない。特に、空中戦ではリーグトップクラスの勝率を記録するなど、能力の高さは数字にも表れている。

デビュー後はほぼ全ての試合でスタメン出場を果たし、天皇杯優勝にも貢献した。このタイトル獲得によって、チームは来シーズンACLに出場する。アジアの舞台でさらなる成長が期待される。

郷家友太(ヴィッセル神戸)

「高校ナンバーワン」の肩書きを背負って青森山田高から加入した郷家。

前線にタレントが揃う神戸で出場機会を掴むのは難しいと思われたが、開幕前のキャンプでアピールに成功し、紅白戦では主力組に入ることもあった。

開幕直前に体調を崩したものの、リーグ戦デビューとなった4節のセレッソ大阪戦では交代される89分まで攻守において存在感を発揮し、チームの初勝利に貢献した。

その後は世代別代表の活動にも参加しながら、リーグ戦でスタメン出場の機会を積み重ねた。高卒1年目でアンドレス・イニエスタやルーカス・ポドルスキらの隣でプレーするという夢のような環境のおかげで、日々成長を続けている。

特にポドルスキとの右サイドの連携は入れ替わりが激しく要求も非常に高いが、そのタスクを難無くこなしてしまうところにポテンシャルの高さを感じる。

来シーズンはダビド・ビジャや山口蛍らの加入でさらに層が厚くなる中盤において、どのように存在感を示すのか期待である。

守田英正(川崎フロンターレ)

ハードワークのイメージが強い流通経済大から華麗なパスサッカーを展開する川崎フロンターレに加入した当初は、チームのスタイルの違いに本人も戸惑いを感じていたが、周囲のアドバイスに助けられながら徐々にチームに融合していった。

自身のプレースタイルを大きく変えることはなく、本来の強みであった対人の強さとボール奪取能力の高さを活かしながら、球出しやゲームコントロールの面でチームに適応してみせた。

前半戦のうちにエドゥアルド・ネットからポジションを奪うと、9月には森保一監督体制の初陣で日本代表デビューを飾った。

その後も代表に呼ばれ続けると、来年のアジアカップのメンバーにも入り、ルーキーイヤーとは思えない1年を過ごしている。

しかし、本人は現状にまだまだ満足しておらず、向上心も高い。来シーズンはさらなる飛躍を見せるだろう。

中村敬斗(ガンバ大阪)

三菱養和SCユースでプレーしていたが、高校2年の17歳でガンバ大阪とプロ契約を結んだ。

クラブにとってアカデミー出身者以外では初となる高校生との契約ということもあり、その期待値は非常に高かった。

開幕前から当時監督のレヴィー・クルピの目に留まり、リーグ開幕戦でいきなりデビューを飾ると、その後も「チームで1番シュートが上手くて強烈」と自身を高く評価するクルピの下で出場機会を増やした。

成績不振によりクルピが解任された後はU-23チームでの出場が続いたが、シーズン終盤に再びトップチームで出場機会を掴むと、33節のV・ファーレン長崎戦では初ゴールを記録した。

数年後の日本代表を背負うことは間違いない逸材である。

坂圭祐(湘南ベルマーレ)

かつてのキャプテン遠藤航の後継者候補として順天堂大から湘南ベルマーレに加入直後は出場機会が無かったが、8節のサンフレッチェ広島戦でリーグ戦デビューを飾ってからはスタメンを任されることが多くなり、後半戦は全試合スタメン出場を達成した。

また、ルヴァンカップでは悲願達成に大きく貢献し、1年目からタイトルを獲得した。

湘南の3バックは全員がセンターバックとしてはかなり身長が低いことで知られ、中でも坂は175㎝にも満たないが、それを補って余りあるほどの驚異的な跳躍力を誇り、空中戦を苦手としていない。

また、読みの鋭さや身体能力の高さもあり、競り合いで負けることも少ない。

今後はウイングバックやボランチなどもこなせるようなユーティリティ性を磨きながら、プレーの幅を広げていくことを目指しており、さらなる進化が期待できる。

プロ2年目となる来シーズンはチームの主力としてフル稼働が求められる。

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