膵臓がんの新治療、全国で治験 和歌山県立医大

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 和歌山県立医科大学(和歌山市)は26日、膵臓(すいぞう)がんの新しい治療法「樹状細胞免疫療法」の確立に向けて取り組んでいる治験を、県立医大付属病院(和歌山市)を含めた全国11病院で共同実施すると発表した。県立医大の治験で薬剤の安全性が確認できたため。「オールジャパン体制で有効性の検証を進めたい」としていて、2022年の承認申請を目指す。

 県立医大外科学第2講座の山上裕機教授らが26日、大学で記者会見した。山上教授を中心とした研究チームが昨年3月から治験を開始。患者6人に薬剤を投与したが、全員に強い副作用がなく「効果安全性評価委員会」が安全性を確認。これを受け、有効性検証のため11病院による共同治験を開始することにした。共同治験は、被験者が早く集められるほか、全国の患者が治験に参加できるという利点があるという。

 参加するのは、免疫療法に理解があり、膵臓がん治療の経験が豊富な、北海道から九州までの病院。11病院でスタートし、本年度中に17病院に拡大する。治験対象は、抗がん剤治療などが効かない全国の患者185人で、無作為に実薬と偽薬に分けて検証する。

【免疫を利用した膵臓がん治療に使う薬剤の治験を、全国の病院に拡大すると発表する県立医大の山上裕機教授(26日、和歌山市で)】