キティちゃんでも競い合い

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改札口は、円形ステンドグラスの天井が楽しい京王(上)と、水玉が目立つ小田急(下)

 多摩ニュータウンの中央玄関である京王電鉄と小田急電鉄の両多摩センター駅(多摩市)が、いまサンリオのさまざまな人気キャラクターに彩られて華やいでいる。

 日本が誇る世界的キャラクターとなったキティちゃんに会える屋内型テーマパーク「サンリオピューロランド」の最寄り駅であることから、京王が2016年、構内の随所にかわいらしい絵柄をあしらったサンリオ装飾満載の駅に改造。日常利用する一般市民としてはかなり驚かされたものだが、「なんで京王だけ?」という声も一部ではささやかれていた。

 それが、ついに2018年暮れ、小田急もサンリオ装飾に大々的に乗り出したのだ。この年の春のダイヤ改正では、都心とのアクセスをめぐって京王が値下げや有料特急の導入、小田急が複々線を生かしたスピードアップと、両社は火花を散らしてきただけに、この協調路線には意外感もあるが、比較してよく見るとデザイン的には全く味が違う競い合いの様相となっている。

 先行した京王の目玉は、改札口前の天井のステンドグラス風円形照明だ。直径10メートルを越える圧巻の大きさは、普通のカメラで見上げたのでは収まらない。駅名板、次列車案内表示、時計、自動販売機に至るまで、空いたスペースにはさまざまなキャラクターやリボン柄などをはめ込んだ。それでも鉄道利用者のじゃまにはならないよう配置に工夫がある。

(上左)キティちゃんが乗る京王の行き先表示板、(上右)絵柄が楽しい小田急の表示版、(下)京王にはピンクのサンリオ電車も走る

 後発の小田急は、白と水色の「小田急カラー」を背景にキャラクターの輪郭をグレーで太く描くという一見素朴な扱い方だが、とにかくキャラクターを大きく描くことで京王以上に目立っている面もある。このタイプの違う装飾が、遊びに来る観光客らの心をどうくすぐるだろうか。

 ピューロランドは1990年に開園。動くアトラクションのほか、着ぐるみのキャラクターパレードや本格的なショーに定評がある。インスタ映えするカメラスポットにも力を入れているようだ。一時客足が低迷する時期もあったが、近年はインバウンドの外国人観光客の獲得やキティちゃんで育った子供が親世代になってリピーターになるなど人気をアップさせている。

 多摩センター駅からは歩行者専用のデッキで結ばれており、冬の間はデッキを包み込むきらびやかなイルミネーション目当ての若者も多く訪れている。

 ☆篠原 啓一(しのはら・けいいち)共同通信社勤務。多摩センターは地元です。多摩を南北に縦貫する多摩モノレールも乗り入れており、次はこちらでしょうか。