「ともに生きる憲章」認知されず 黒岩知事「ショック」

 「なかなか認知が進んでいないことにショックを受けている」。黒岩祐治知事は27日の定例会見で、県などが定めた「ともに生きる社会かながわ憲章」について、2018年度の県民ニーズ調査で81%が「知らなかった」と回答したことを嘆いた。

 この1年、イベントでのブース出店や、「共生社会実現フォーラム」の実施などを通じ、憲章の普及・啓発を行ってきた。しかし、調査結果は17年度とほぼ変わらず、浸透に苦戦しているのが現状だ。

 知事は「この結果でめげるのが一番いけないこと」とし、今後は「教育現場で徹底できれば、ずいぶん違う。教育委員会と相談しながら、さらに前向きに進んでいきたい」と述べた。

 憲章そのものについては、「永遠に掲げ続ける課題。共に生きる社会を目指すのをやめようという時代が来るとは思えない」と強調。「それぞれ命を尊重しながら共に生きる。この精神がもっと広がり、深まることが大事」と力を込めた。

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