室蘭市政この一年

公共施設再編にめど

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ごみ収集問題など課題も浮上

2018年の室蘭市政は大型公共施設整備やまちのコンパクト化に向けた議論、行財政改革の取り組み、議員定数削減などの出来事があった

 2018年(平成30年)の室蘭市は大型公共施設の整備スケジュールに一定のめどが付いた。来年からコンパクト化に向けた「立地適正化計画」が本格的に動きだす。待ったなしの行財政改革に市民生活に直結するごみ収集問題など新たな課題も浮上。市議会は議員定数1人減を決めた。市政の主なトピックを振り返った。
(粟田純樹、林帆南)

■経費圧縮急務

 大型公共施設整備のめどが付いた。市役所本庁舎や入江地区に移転する総合体育館などスポーツ施設を想定通り整備した場合、総額419億9千万円に上る。
 市内施設の整備指針となる「公共建築物適正化計画」に将来の整備スケジュールを位置付けた。15年後に8億円の赤字を計上すると試算。経費圧縮が急務となった。

 19年度から工事が本格化する環境科学館・図書館や火葬場など計14施設の整備内容を明らかにした。推計では27年度に貯金となる公共施設整備基金や減債基金などが底を突く見通しだ。

 さらなる行財政改革により財政健全化を目指しながら財源を確保する方針。市は「人口減がさらに進む社会情勢の中であらゆる想定で施設整備に臨まないといけない」としている。

■さらなる行革

 財政危機を回避するため行政改革プラン(期間16~21年度)を推進している。人口減少が進み税収減が見込まれる中での取り組みとなる。

 市は行革により累積赤字18億円は解消できるとするが、市議会からは「全職員で取り組む意識が希薄」と指摘。項目実施に向けた課題が浮き彫りとなった。

 今年12月時点の財政収支見通しでは計画期間終了までには累積赤字が解消されるとしたが、人手不足が顕著となるごみ収集・リサイクル事業の見直し問題が重くのしかかる。

 小泉賢一副市長は「行革プラン作成後からの人口減、新体育館、市場、広域ごみ処理施設建設などもある。さらなる行革推進が必要」とした。

■コンパクト化

 コンパクトなまちづくりを進めるための指針「立地適正化計画」(素案)が示された。域内に施設や市民を誘導し住環境の利便性を維持する狙いだ。

 人口密度を維持する「居住誘導区域」と病院や公共施設を誘致する「都市機能誘導区域」を設定し、40年までに公共施設利用者を倍増させ、市街地に2100人を集約することが目標。

 同時並行で策定した「地域公共交通網形成計画」(素案)の中で19事業を掲げ、情報通信技術(ICT)活用やモビリティ・マネジメント推進など交通インフラ維持を検討する。

 住民説明会などで施設の集約や再編、民間活力を生かした事業、高齢者向け住み替え支援などを進める立適の周知を図ってきた。ただ、学識者からは市民の声の反映を求める意見がある。

■議員定数1減

 室蘭市議会は議員定数を現行の「22」から「21」にする「1人減」を決めた。議会改革の一環。定数削減は11年4月以来。来年4月の統一地方選(市議選)から適用される。

 定数改正をめぐっては市の人口減少などを踏まえ3会派が合同で提案した。一方、2会派は「市民理解を得られない」として「2人減(定数20)」「性急すぎる」と主張し反対した。

 結局、議員定数状況は「同等規模の他都市と比較しても遜色ない状況との認識で一致」し、社会情勢を捉えると「削減は避けて通ることのできない課題」と結論付けた。

 金浜元一議長は「あらゆる機会を捉え議会活性化に取り組み、市民に開かれた議会の構築を図る」と述べた。