サイクル4人、内川&福浦2000本安打など…2018年に生まれた偉大な記録【打者篇】

ヤクルト・山田哲人【写真:荒川祐史】

ヤクルト山田哲人は史上初の3度目のトリプルスリー

 2018年もあとわずか。そこで、今季のNPBで達成された主要な記録を回顧しよう。

まずは打者編。

〇サイクル安打達成者が4人
・4月21日 柳田悠岐(ソ)日本ハム戦(札幌D)70回目
右本 中安 中2 中安 右3
・7月9日 山田哲人(ヤ)巨人戦(静岡)71回目
左安 四球 左本 左2 右3
・7月20日 桑原将志(De)阪神戦(横浜)72回目
左本 左安 右3 四球 左2
・8月16日 平田良介(中)DeNA戦(ナゴヤD)73回目
左本 左2 左2 右3 左安

 1シーズンに4人が記録したのは、2003年の5人(オーティズ、福留孝介、稲葉篤紀、村松有人、桧山進次郎)に次ぎ、1952年の4人(東谷夏樹、浅原直人、滝田政治、山川武範)と並ぶ記録。桑原と平田はともに初回先頭打者本塁打からスタートした。

〇ヤクルト、山田哲人が3回目のトリプルスリー
2015年 打率.329 38本塁打 34盗塁
2016年 打率.304 38本塁打 30盗塁
2018年 打率.315 34本塁打 33盗塁

 ヤクルトの山田哲人が2015年、2016年に続いて3回目の3割、30本塁打、30盗塁を達成。トリプルスリーはNPB史上で12回記録されているが、複数回記録したのは山田哲人だけ。MLBにはトリプルスリーという概念は普及していないが、バリー・ボンズが3回記録している。

〇ヤクルト青木宣親が通算打率でNPB史上1位に
2018年シーズン終了時点でのNPB打率5傑
1青木宣親.329(4395打数1446安打)
2リー.320(4934打数1579安打)
3若松勉.31918(6808打数2173安打)
4張本勲.31915(9666打数3085安打)
5ブーマー.317(4451打数1413安打)

 青木は2011年オフに3900打数1284安打、打率.329の記録を残してMLBに移籍した。NPBの通算打率は、4000打数以上となっているので、青木は100打数足りなかったが、今季ヤクルトに復帰し、5月3日の中日戦で4001打数に到達。1310安打、打率.327で、リー(ロッテ)を抜いて史上1位になった。青木はその後も好調を維持し、打率.327でシーズンを終えた。打者は選手生活晩年になると通算打率も下落するが、36歳の青木は今後も1位をキープできるだろうか。

〇ソフトバンク内川聖一、ロッテ福浦和也が2000本安打を記録
 内川は5月9日の西武戦(メットライフD)、8回に武隈から右中間への安打を放って史上51人目の2000本安打を達成。福浦は9月22日の西武戦(ZOZOマリン)で、8回に小川から右翼線への二塁打を放って記録達成。NPB史上52人目。42歳9か月での達成は、2015年6月11日に42歳11カ月で達成した和田一浩(中日)に次ぐ高齢記録。

〇西武中村剛也6試合連続本塁打
8月4日 日本ハム戦(メットライフD)8回3ラン
8月5日 日本ハム戦(メットライフD)2回3ラン
8月7日 オリックス戦(京セラD)2回2ラン
8月8日 オリックス戦(京セラD)8回2ラン
8月9日 オリックス戦(京セラD)8回2ラン 
8月10日 楽天戦(楽天生命)4回左2ラン

6試合連続本塁打はパでは、大杉勝男(1973年日拓)アルトマン(1974年ロッテ)土井正博(1978年クラウン)デービス(1985年近鉄)石嶺和彦(1987年阪急)スチーブンス(1995年近鉄)カブレラ(2003年西武)松中信彦(2004年ダイエー)に並ぶタイ記録。NPB記録は王貞治(1972年巨人)、ランディ・バース(1986年阪神)が記録した7試合連続。8月の中村剛也は12本塁打、26打点の大暴れ。チームの優勝に貢献した。

〇阪神大山悠輔、6打数6安打
1回 左前打(1打点)
3回 左本塁打(1打点)
3回 左本塁打(2打点)
5回 左前打
8回 中前打
8回 左本塁打(3打点) 

9月16日の横浜スタジアムでのDeNA戦に3番・三塁で先発し、記録。4人目のセ・リーグタイ記録。NPB記録は1949年に大下弘(東急)が記録した7打数7安打。1イニング2本塁打もセ・リーグ12人目、NPB20人目のタイ記録だった。

今季も多くの打者が活躍し、球史に残る記録を樹立した。来季はどんな記録が生まれるだろうか?(広尾晃 / Koh Hiroo)

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