主な出来事 平成23(2011)年

 3月11日に東日本大震災と東京電力福島第1原発事故が発生し、日本の防災、エネルギー政策、市民生活などの在り方が根底から問われた1年となった。本県からは被災地に救援部隊やボランティアが向かい、大量の物資が送られた。今夏の「長崎原爆の日」の平和祈念式典では、田上富久長崎市長が平和宣言で「脱・原発依存」を訴えた。
 2月、中村法道知事は県庁舎整備問題で長崎魚市跡地への移転新築を表明。翌月には大震災を受けて「県民総ぐるみの被災地支援」を呼び掛けた。4月の統一地方選では新たな県議、長崎市長、佐世保市長らが選出され、7月には博多大丸長崎店が閉店した。
 10月、鎌倉時代の元寇(げんこう)で沈んだ元の軍船とみられる船底部が松浦市鷹島町沖で見つかり、県民の注目を集めた。11月、長崎と中国・上海を結ぶ上海航路の第1便が就航。12月には西海市で女性2人が殺害される事件が起きた。
 年の瀬、政府は九州新幹線長崎ルートの諫早-長崎間など整備新幹線未着工3区間の建設に着手する方針を決定。年度内にも着工が認可される見通しとなり、推進してきた本県関係者からは安堵(あんど)の声が聞かれた。

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